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壊れた心
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目を開けると白い何かが目に入った。
初めはしんで天国に行けたのかなって思った。でも。違った。
白い何かの正体は天井だった。
辺りを見渡すと隣に叔父さんがいて自分が目覚めたに気がついた。
しねなかった。
なんで?なんで?
こんなに辛いのに。
こんなに苦しいのに。
神様は意地悪だ。
「遥。」
「?」
はいと言おうとしたら声が出なかった。
「遥、返事しろ。」
「????」
必死に伝えようとした。
声が出ないことを。
でも。
「おい。ふざけてんのか?俺を馬鹿にしてんだろ。」
違う。声が出ないだけなの。
必死に首を振り、怪我の手当がしてある腕で喉を指さす。
「あ?....もしかして声が出ねえのか?」
首を縦に振る。
「そうか。まあ、どうでもいい。話があるから聞け。」
また首を縦に振る。
「お前が自殺なんかしようとしたせいで児相に目をつけられた。体の傷と今回の行動でお前を保護することになったんだと。だからな。遥。
保護されても何もされてないと言え。虐待なんてなかったって。さもないとお前の大切な母親と父親がつけてた結婚指輪壊して二度と見ることができないようにするぞ。それとな。お前の母親と父親はきっとお前のことが嫌いだ。だってせっかく自分の命をなげうってまで息子を助けたのにその息子が命を大事にしてねえんだぞ?そりゃ嫌いになるよなぁ?」
その言葉で頭が真っ白になった。
いやだ。いやだいやだいやだいやだ。
僕の宝物が壊される....?
お母さんとお父さんは僕のこと嫌い....?
もう、楽しかったあの頃のようにはなれない....?
僕は必死に首を縦に振った。
死んでも苦しいだけ。
それ以前に死ねない。
どうしたらいいんだろう。
苦しいなぁ。
こんなにも苦しいのになんで神様は助けてくれないんだろう。
僕は、神様にも嫌われているのかな。
命を大事にしない悪い子だから。
お母さんとお父さんのことを考えないで死のうとしたから。
きっとそうだ。
それを悟った時、悲しみなど感じなかった。
ただ、目の前が真っ白になった。
僕はわるいこだ。
どうしたらお母さんとお父さんはゆるしてくれるかな。
そのあとのことはなんにも覚えていない。
気付いたら病院から知らない建物に移っていて気付いたら叔母さんの家に戻っていた。
ぼく、なにしてたっけ。
わからない。わからないよ。
あはは。
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