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55.Finale2
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演奏が終わり、ステージ裏に行くと、ピゼッティとブルーノが立っていた。
『お疲れ!圭』
『レオーネ』
『よかったよ~!すごく感激した』
心底喜んでくれているのだろう。
二人は満面の笑みだった。
『ありがとう。お前も頑張れよ』
『おう!後悔しないようにやってくるぜ。じゃあ、ブルーノ、いくか!』
『うん』
嬉しそうに歩くピゼッティの後ろに続くブルーノ。
関口は首を傾げた。
そういえば。
本当に二人はセットみたいなものだな。
自分と蒼みたいだと思う。
蒼。
今回のことで改めて思い知らされた。
蒼と離れるってことは自分にとったらすごくマイナスなのだってこと。
早く日本に帰って蒼との生活に戻りたいな……。
そう思った。
「圭~!!お父さんは嬉しいぞ!」
きた……。
背中に嫌な汗が流れた。
見たくない、見たくない。
振り向かないようにしよう。
ドキドキしていると、後ろにいる桜が声を上げた。
「圭一郎」
「桜!久しぶりだな。かおりからは聞いていたのだ。君が圭の担当をしてくれたって」
「担当って程でもないんだけどね。ちょっとした巡り会わせで」
「いやいや!これも神の思し召し!運命が引き合わせてくれたに違いない!」
わ~っと大騒ぎになる控え室。
高塚は取材なんか忘れてぽかんとしている。
圭一郎の後ろからはミハエルが顔を出した。
遅くなるってそういうことか。
圭一郎を空港まで迎えに行っていたのだろう。
「もう!私も仲間に入れてよ~!」
廊下からはかおりの声も響いている。
この親たちは。
自分の邪魔をすることしか能がないらしい。
困ったものだ。
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