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82.不幸はまだまだ続く4
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星野から星音堂に連絡が入ったのは午後だった。
結局、予想通りのぎっくり腰。
数日、安静にしていれば回復するとのことだった。
星野は数日お休み。
そうなると忙しくなってしまうのが星音堂の特徴である。
少数人数でまわしているので、一人抜けるとてんてこ舞いになってしまうのだ。
日勤だったのに、結局は遅番と同じ時間。
明日は圭の演奏会だと言うことで、今日は早めに帰ろうと思っていたのに。
なんだか、がっかりした。
自転車を所定の場所に納めて、それから玄関を開ける。
「ただいま~」
がらがらと軋む玄関の扉。
入った瞬間。
びっくりする。
圭が立っていたからだ。
「なんだ、びっくりしたじゃない」
「ごめん。お帰り」
「ただいま」
蒼はいつもとは違うそれに、不安を覚える。
「どうしたの?圭」
「うん。ちょっとね」
「なに?」
「う~ん」
彼はまだまだ迷っている様子。
だけど、覚悟を決める。
「ちょっと、明日のことで話しておきたいことがあるんだけど」
「え?おれに?」
「そう。蒼に」
明日のこととは演奏会のこと。
蒼は自分になんか話されても分からないのではないか?と思う。
先に居間に消える圭と、足元で見上げているけだもを交互に見て、蒼は首を傾げた。
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