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105.恋を患う5
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どうしてだろう?
遅番を終え、帰宅途中で、篠崎は立ち止まった。
どうして。
胸が苦しい。
なんだか涙が出そうになる。
いつもと同じなのに。
なにをそんなに気に病むのだろう?
今日は、関口圭というヴァイオリニストが来て。
自分が星音堂に入る前にいた人の存在が分かった。
その人は三浦が大事に思っていた人で。
思っていた人?
いや。
きっと、今でも思っている人。
現在進行形なはず。
そうか。
そうだよね。
でも、どうして胸が苦しくて痛いのだろうか?
どうしてだかよくわからない。
悲しくもないのに、涙が出るのはどうしてなのだろう?
篠崎は自分の身体の異変の理由を理解することができずに、立ち尽くしていた。
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