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109.路地裏の邂逅4
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ずっと老人の音が頭から離れなかった。
ルル。
ルルって、やっぱりどこかで……。
そう思いながらアパートに帰る。
ベッドにごろんとすると、けだもが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「にゃおん」
「けだもは元気だなー……」
圭は瞳を閉じて、思いを馳せる。
ショルとの競演は楽しみだけど、若い、同じような立場のヴァイオリニストとの競演は苦手だ。
レオーネとは気が合うからいいけど……。
レオーネか。
どうしているかな?
こっちにいても、ショル同様、なかなか会う機会がないし。
ショルやレオーネのことを考えていると、蒼のことも思い出す。
もう一年近くになろうとしているのに。
得られた情報は有田からのあの情報くらい。
みんな頑張ってくれているのは重々承知しているけど。
世の中ってうまくいなかいものだと思う。
蒼は自分のこと、忘れちゃったかな?
大きくため息を吐く。
「蒼……会いたいな」
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