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眼鏡とは違う気持ち?
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俺は今、人生で初の告白というものを
受けて・・・いるんだよな?
「え、何て申しましたか?」
いやまて、聞き間違いだろ
相手は男だぞ。しかも会長だぞ。
ないない。会って1日も経ってないのに
「だから、僕と付き合ってよ。渋谷君」
聞き間違いではなかったようだ
「なっ何をおっしゃるのですか!」
つい堅苦しい喋りになってしまう。
会長まさかホモだったのか?
でも確かに、こんなにモテるのに
会長の恋沙汰は聞いたことがない。
まさかっ、俺のあんな姿を見て
欲情したとかっ!
「会長・・・俺、男です」
「知ってるけど?」
「冗談はやめてください」
そうだよ。冗談に決まってる。
うんうん、と自己解釈をした。
「ふふっ・・・君は可愛いね」
どこをどう見たらそう思えたんだよ。
うわー、こいつも訳分からん。
「付き合うフリだよ。」
「え?」
「僕の思う限りでは、君は
成海に何か弱味を握られてるんでしょ?」
うっ、と図星を突かれ、
俺は下を向いた。
「成海さ、気に入ったものは
いじめちゃうとこあるから。
でも今日を見る限りでは
成海は度を越してるしね。」
「・・・ごもっともです」
本当だよ。
学校であんな事するなんて
あいつはもはや人間ではない
妖怪だ。妖怪ドS眼鏡だよ。
「これ以上君に被害が及ぶといけないし、
生徒を守るのも、僕の役目だしね」
そう言うと、会長はにこりと笑った。
「君が成海の事を好きなら、
話は別だけど」
「好きなわけねぇっ!・・・です」
また、声を張り上げてしまった。
すると会長は俺を見て微笑んだまま
椅子に腰掛けた。
「なら、僕と付き合う事にすればいい。
そうすれば、校内に居る時も、
君が生徒会に入っても、
僕が成海から守ってあげるよ?」
「なっ・・・・」
なんて優しい人なんだっ
会長ホモとか思ってすまねえ!
あんたは漢だ!俺の光だよ!!
ご来光があんたの後ろに見えるよ!
俺は今、猛烈に泣きそうだ。
眼鏡から解放される道が開けたからだ。
「どう?」
「よ、よろしくお願いしますっ!」
はっ、くそ眼鏡め。
お前は俺に生徒会長を盾に脅してきたが、
今じゃ生徒会長は俺のナイトだぜ。
これでてめえとはおさらばだ。
「でも、一体どんな弱味を握られてるの?」
「!!・・・えっ・・・と」
まてまて、そうだよ・・・
会長と付き合うとしても
弱味を握られている事に変わりはない
俺が逆らったら、あいつは
きっと会長に俺の事を言うはずだ・・・
くそ・・・やっぱそう簡単には
あいつから逃げれねえのか?
「・・・大丈夫。」
「え?」
「成海はさ、本当に嫌いな奴の事は
すぐにポイしちゃう奴だから。」
「・・・・・」
ポイ・・・ですか。
うわ、考えるとそれもそれで怖えな
「あと、成海は結構口固いから
そう簡単には他に喋らないよ」
「・・・はい」
とにかく、今はこの人を
信じてみよう。
まぁ付き合うっつっても
仮だし。眼鏡みたいに強引な事も
この人はしないだろうし。
「じゃあ。今から新って呼ぶから」
「ふぇっ!・・・っはい」
どうしよう。
会長が俺を下の名前で呼んだ
しかも、あんなシャイニングに・・・
「ん?」
「っ・・・」
あれ、なんだ?・・・
今ドキって・・・・
眼鏡の時とは違う・・・
なんか・・・胸がぎゅってした・・・
「成海には僕から言っておくから。
今日はもうお帰り。」
また、優しく笑ってそう言った。
「は、はい」
この選択を選んだ事で
明日からの俺の人生は変わるのか?
胸に感じた初めての感覚と
その疑問を抱えたまま、
俺は生徒会室を出た。
だが、変わっていくのは俺の人生ではなく
俺自身だった事を、この時の俺は知らずにいた
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