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印象は
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かと言って、直接一年生にその件について尋ねるのはどこか抵抗があった。
今の所は、特に大きな問題になっているわけでもない。
そもそも、うわさである以上、下手に探りを入れないほうがいいのかもしれない。
「月島先輩?」
「っ、」
悶々と日野に言われた事を頭の中で考えていると、ふと名前を呼ばれ我に返った。
目の前には、心配そうな顔をこちらに向ける1人の一年生。
「どうかしたんですか?大丈夫ですか?」
「あ、ごめんね。何でもないよ」
誤魔化すかのようにそう応えると、目の前の一年生は「それなら良かったです」と、ホッとした表情を見せる。
今は担当場所である第2視聴覚室にて、掃除を行っている最中だ。
次の指示を出してほしいと別の一年生に言われ、僕から掃除の指示を出す。
あと15分ほどで今日の清掃は終了するが、掃除の時間一年生は皆真剣に取り組んでくれてとても関心した。
「水田くん、ちょっとこっち手伝ってくれるかな?」
僕も頑張らなくては。と思い、長机を運ぶ作業に取り掛かる。
そこで、先程僕の事を心配してくれていた一学年の水田くんが近くを通りかかったので、机を運ぶのを手伝ってはくれないかとお願いをする。
「もちろんです!」と水田くんは答えた。
彼とは前に一度、オリエンテーションの場で行動を共にした事がある。
水田くんの印象は、とても元気で明るく、そして健気な子。だった。
前にオリエンテーションの最中で、僕が日野に拉致された時、その後水田くんと合流したのだが、この子はとても僕の事を心配してくれていた。おまけに、その時は明らかに僕の不注意のせいで彼を1人にしてしまったというのに、「はぐれてしまってすみませんでした」と、彼は謝ってきた。
くるんと綺麗にカールした彼のクリーム色の髪。
一生懸命なその眼差しは、彼の純粋さを表しているのだと思う。
ちなみにと言ってはなんだが、水田くんは今回の生徒会推薦枠の1人だ。
「あの……つ、月島先輩……」
長机を運び終わると、水田くんが何やら頬を赤らめながらそう呟く。
「ボク…その、すごく光栄ですっ……生徒会メンバーの推薦枠に選んで下さって……あと、選考期間中は月島先輩がボクの担当だと聞いた時には夢かと思いました」
キラキラと瞳を輝かせながら、水田くんはそう言った。
彼が言った通り、今回生徒会メンバーは推薦枠に入っている一年生1人を言い方は悪いが監視役として見ることになっている。
そして、水田くんは僕が担当する子だ。
「僕も、また君とこうしてペアになれてとても嬉しいよ」
「っ??」
水田くんは一学年の中でも成績はほぼトップと言って良いほど優秀な子だ。
なんでも、彼自身この学園に入学する以前から、生徒会に憧れがあったという。生徒会に入る為に、前々から日々勉強に励み、ここまで頑張ってきたのだ。
「月島先輩っ」
「ん?」
そろそろ掃除の時間も終了だと思い、皆のところへ向かおうとしたら、後ろから水田くんが僕を呼び止める。
「どうしたの?」
水田くんは目をキョロキョロとさせており、口籠りながら小さく呟いた。
「ぼ、ボク……あの……っ…」
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