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一人にしてほしい
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今日の放課後はなんかいつもより静かやった。
そう言えば、今日の清掃活動とやらは校舎周りのゴミ拾いっていっちゃん言よったっけ?
「あと一問……」
数学最後の問題や。これ終わったら俺もいっちゃんのとこ行ってみよ。
下校時刻より早めに終われそうや。
けんど、行ったら俺邪魔になるろか?
……メールで一旦聞いてみるべき?忙しいかな……
最近、いっちゃんの顔色が悪い。
ただでさえ忙しいのに俺の課題にまで付き合わせてほんま申し訳ない。
「んん〜、けんど無理ぃ〜…俺もう限界〜」
ベタぁーと机に張り付く。
誰に言うた訳でもない、俺のひとり言や。
本音を言えば、俺はもう限界。勉強したくない。
と言うよりいっちゃんに触りたい。
だって1番最後に触ったのいつ?
こんなにお触り我慢したの初めて過ぎて死にそう。
「ちょっとだけならえいよな?」
椅子から立ち上がる。うんうん、と頷きながら俺は教室を出た。
いっちゃんやって男や。もしかしたら俺よりもお触り我慢し過ぎてもう堪えれんなっちゅうかもしれん。
それはいかんな。俺が慰めちゃらんと。
「んふふ〜」
待ちよってなぁ〜、なんて思いながら廊下を歩きよると、目の前から誰かがこっちに向かってくる。
そいつは俺を見てハッとした表情をする。
「日野先輩……」
「んお?」
パタパタと俺のとこまで小走りで来て足を止める。
……この一年生、確かこないだいっちゃんと渡り廊下のとこで話ししよった……
「よかった……探してたんです」
「俺を?」
コクっとその子は頷いた。
一体なんの事やと思うたけど、そう言えばこの子は最近いっちゃんとよく一緒におる子や。
いっちゃんが今どこにおるか聞いとこ。
「ちょうど良かったわ。いっちゃんどこにおるか知らん?まだゴミ拾いしゆうが?」
「あ、あの……実はその事で」
「?」
一年生は不安気な顔で俺を見る。
「月島先輩…具合が悪いみたいで今日はもう帰ると……」
「え?俺には何にも連絡来てないで」
「はい。だからボクが知らせに」
「……………」
先に帰った?……まぁ具合悪そうやったしなぁ…
……けんどそれなら一言くらいメールしてくれても……
「ん、わかったありがとう。今からお見舞い行ってくるわ」
「っしばらく……」
「ん?」
「………しばらく……一人にしてほしいと言ってました」
「………え」
その子は控えめにそう呟いた。
俺は なんで? とすぐ疑問が浮かんだけど、聞かんかった。
「すみません……きっと月島先輩は疲れてるだけだと思うんです……落ち着いたら連絡すると日野先輩に伝えてほしいと言われて……」
「……おう、そうか」
それって、俺になんで直接言ってくれんの?
「りょーかいや。ありがとうな」
「いえ…ボクなんかがその、すみません…」
メールも電話も来てない。
誰か伝いでじゃないと俺に言えんかった事?
具合悪いなら、あの時ちゃんと言ってくれたら良かったやん。
「んーん。またなんかあったら俺に言うてきて」
一人にしてほしいって……なに?
「……はい」
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