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あと1分。1分後に、インターホンが鳴る。
今日は先輩の為にクッキーを作ったんだぁ。
先輩が好きな猫の型で作ったクッキー。
甘いもの好きかな?喜んでくれるかな?
……先輩と一緒にいられるのが嬉しい。
「月島先輩っ‼︎」
インターホンが鳴ると同時に、扉を開く。
「こんばんは」
「…………こ、こんばんはです」
扉の先には、微笑む月島先輩が立っていた。
「上がっていいかな?」
「あっ、どうぞっ」
びっくりした。先輩の笑顔は見慣れている。ずっと見てきたのに……
少し、怖いだなんて思ってしまった。
「月島先輩っ、何か飲みますか?今日は沢山飲み物を用意しておいたんです!」
部屋へと通し、いつものように月島先輩をベッドに座らせる。
「ありがとう。でもその前に」
「え?」
先輩が手招きをする。何だろうと思いそばに寄ると、腕を引かれて態勢が崩れてしまった。
「…いつもの、付けないの?」
綺麗な青い目と視線が合う。
手の平を掴まれ、先輩の首に指が触れた。
「……あっ、そ、そうでしたね‼︎」
ボクとした事が、すっかり忘れてしまっていた。
首輪、首輪……先輩に首輪を。
「はいっ、これでOKですっ」
「ん」
白い肌によく映える青い首輪。
付け終えると、先輩は目を閉じて笑った。
胸が跳ねる。長い睫毛がキラキラ光ってて、とても綺麗だった。
「じゃ、じゃあ飲み物を取ってきますねっ」
「うん。ありがとう」
月島先輩の優しい声。心が何だかふわふわする。
足取りは軽くて、早く先輩にボクが作ったクッキーを食べてもらいたい。
先輩、どうしたのかな?昼間とは全然違うや。
ボクの事、少しは見てくれてるのかな?
ボクがしてきた事、ちゃんと先輩に伝わってるのかな?
「ふふっ」
何だか嬉しい。
やっと先輩が本当にボクのものになったみたいだ。
「月島先輩っ」
オレンジジュースと、焼いたクッキーを持って部屋に戻る。
穏やかな表情を浮かべる先輩がボクを見つめる。
「あの、今日クッキー焼いたんです」
「クッキー?」
胸がドキドキしてる。何でだろう。
「はいっ、ほら、猫の形なんですよっ」
「あ…ほんとだ」
一つ手に取り先輩に見せると、また笑顔を浮かべる。
キラキラ、キラキラ、ボクには眩し過ぎるくらい。
喜んでくれたかな?頑張って作った甲斐があった。
本当のところ、上手くできたのはほんの数枚程度。
他のは形が悪かったり、所々コゲてしまったり。
先輩には綺麗なものを食べてほしかった。
「一緒に食べましょう?」
嬉しくて、先輩の隣に腰をおろし、一枚クッキーを差し出す。
味は問題ないと思うんだ。ちゃんとレシピ通り作ったんだから。
「食べさせてくれるかな?」
「えっ……」
先輩の言葉に思わずキョトンとしてしまう。
「……りゅうに、食べさせてほしいな」
「…せんぱ、」
名前……呼んでくれた……
「ねえ、早く」
手を掴まれ、口元に引き寄せられる。
赤い舌が覗いて、指先にある甘いお菓子をかじる先輩。
そして、全部平らげると視線がボクに向けられる。
「……月島先輩っ…あっ…」
指が先輩の中に入る。舌を這わせながら、ゆっくりとボクの指を舐められ体が跳ねて手に持っていたクッキーが入ったお皿が床に落ちてしまう。
「ど、どうしたんですか……?」
「ん?……なに、嫌なの?」
……先輩、何か変だ。
「いや、な訳じゃないですけど……」
嫌な訳がない。だってこんな求められるような事をされて嫌だと思う人はいない。
でも、でも……
「今日は僕がしてもいい?」
「っへ……」
「……りゅうを抱きたいな」
「………せんぱい…」
迫られ、見下ろされ、名前を呼ばれる。
嬉しい。嬉しい…………月島先輩がボクを……
「んぅっ」
甘いキスが降ってくる。唇を優しく包み込んで、温かい先輩の舌がボクの口の中に入ってきて、舌を何度も吸われて、息が出来ないくらいの、だけどすごく気持ちいいキス。
「ふ、あ…せんぱい………」
何だろう。何だろう……嬉しくて、泣きそうになる。
離れていく先輩の舌が艶やかに光る。
もっとしてほしい。行かないで、やめないで、先輩……
「あっ、駄目っ駄目です先輩っ……‼︎」
服の中に手が入ってくると、先輩の首輪に付けられた鎖がピンと張った。
「ねえ、この鎖だけでも取ってくれないかな?これじゃ君に触れない」
「……え」
でも、そんな事をしたら先輩は
「大丈夫。僕は逃げないよ」
「……っ……」
優しい笑顔。温かい声。
逃げない、そっか……もう逃げないでいてくれる。
鎖に伸ばした手がカタカタと震えてしまった。
重い鎖が外れると、月島先輩は思いっきりボクを抱き締めてくれた。
「先輩っ……」
それが嬉しくて、ボクも精一杯抱き締め返した。
「んぁ、あ…ん、んんっ……」
そしてまた、あの優しいキスをくれる。
「あっ……せんぱい…っあ‼︎」
細くて綺麗な指が後ろに回る。
穴を広げられながら、ゆっくりボクの中に入ってくる。
出し入れを繰り返しながら、柔らかくなるまで解してくれた。
「っ…は、ぁ、んっ…あ…」
目の前がキラキラする。先輩がいるからかな。
「入れていい?」
「っ……」
耳元で聞こえた甘い声。
まるで夢のようだ。
「あ‼︎あぁあ……っ‼︎」
熱くてぬるぬるしてて、硬くて大きくて、先輩自身がボクの中に入ってきてくれる。
昼間とは全然違う感覚が体の中に走る。
「っ……は、……」
「せんぱいっ……あ…せん、ぱい……」
どうしよう……どうしよう…………
「あっ、あっ‼︎…や、激し…っ…ああっ」
嬉しい……嬉しい…………嬉しい……
「月島先輩……もっと、もっとしてっ……あんっ」
先輩がボクを抱いてくれてる。
ボクの中で気持ちよくなってくれてる。
「は、は、……っ……く……」
「せんぱい…っ……あ、…せん、ぱいっ……」
涙が出そうになる……泣きたいくらいだ。
やっと、やっと先輩がボクのものに……
「りゅう……」
「………………」
「は、……っ、……りゅう……りゅう……」
「せんぱい………?」
…あれ…………何だろう……
「……どうしたの?」
「っえ……あ、いえ……」
この違和感は、一体何だろう。
「りゅうの中、気持ちいいよ」
「っ‼︎あ…」
先輩がボクの名前を呼んでくれる。
先輩がボクに触れてくれる。笑いかけてくれる。
「キスしようか」
ボクを求めてくれている。はずなのに。
「ねえ、“りゅう”?」
ーーーーこんなに心が痛むのは、何でだろう。
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