アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
☆和也の優しさにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
☆和也の優しさ
-
ズンズンと進んでいた和也。
「和也??」
「…………。」
声をかけても答えてくれない和也。
「……和也……」
「…………。」
呼びかけても振り向かないし、返事もしてくれない…。
俺は右手を和也に掴まれて、左手にはパンを抱えていた。
足も止めないで俺の腕を引いたま歩いてく。引っ張られてる腕が少し痛い…
しかも、なんか…和也は まだ怒ってる感じがする…。
俺が迷惑かけちゃったから…和也 怒ってるのかな……
いつもニコニコして人当たりの良い和也を怒らせるなんて…俺…俺………
悲しみと焦りと和也を怒らせてしまったのではという不安とが俺の心に渦巻いて……
俺は気づいたら泣きだしていた。
「うっ…あっ……うぁぁぁぁぁぁ!」
情けなさすぎる。高校2年の男子が学校で泣くなんて。
でも、和也にきらわれてしまったのかと思うと純粋に悲しかった。
俺の泣き声にギョッとした和也が驚いた顔をして俺を振り返った。
「あっ明!!??」
ピタッと足を止めて俺をまじまじと見る。
「うぁぁぁぁぁ!」
それでも泣き続ける俺。
「明どうした!?具合わるいか!?
あ、さっきのやつらに殴られたのか!?」
和也が心配そうな顔をして俺に詰め寄った。
「ちっ……ぐすっ…ちがっ……ひぃっく」
嗚咽で声がうまく出せないからフルフルと首を横にふって否定する。
「な、ならどうしたんだ!?
はっ腹減ってんのか??」
それも違うというように首をフルフルと横にふりながら俺は答えた。
「和也……俺が名前っ…くずっ……呼んでも……振り向いて…ひぃっく…くれなかった。」
ずずっと鼻をすする。
「俺…俺が…迷惑っ……かけたから…んっく……和也…怒ったんだろ…?ぐすっ」
「それは違う!!!!!」
俺が言い終わると同時に和也が叫んだ。
いきなりの大声にビックリしてしまう。
………俺…さっきからびっくりしすぎな気がする……こんなびっくりしてたら寿命 縮んじゃうよ……
そう思いながら涙をシャツでゴシゴシふくと、和也がポツポツと小さい声で話始めた。
「俺が……明を購買に1人にしなかったら…こうはならなかった…
……明、ごめん…… 俺は、そんな自分に腹が立ってるんだ……」
和也は俺に弱々しく謝った。
和也………。
「まぁ、確かにそうだなっ!!
和也が俺と走って購買に行けばこうはならなかったな!!」
俺が元気良く答えると和也は漫画みたいにガクッとなった。
「お前なぁ~……ここは普通『そんなことないよ…!(裏声)』とか言うとこじゃねぇの~…?」
和也は、ため息をつきながら言った。
「ほ~………
てか、お前 今の裏声すげぇのな。どうやって出したんだ?さっきの声。」
「………そこかよ…。」
俺を見て はぁ…と和也はため息をついた。
「まぁ……でも、ほんと悪かったよ…1人で行かせたりして…」
そのまま俺の髪をワシャワシャと撫でる。その手は俺が思ってた以上に大きかった。
「……和也…俺のこと怒ってないか…?」
俺の質問に和也は呆れた顔をしながら
「なんで俺が明を怒るんだよ~~、全然 怒ってねぇよ~~
でも…逆に明は俺のこと怒ってないか…?」
と答えた
和也の言ったことに、よかったぁ……和也に嫌われてない…と思い、すぐに
てか、なんだそりゃ。なんで俺が怒るんだよ。と思った。
和也は俺を助けてくれたんだ。
そりゃ、さっきは「こんなことにならなかった!」とか言ったけど……さっきのは冗談で…その場の空気が和めば…なーんて思ったから言っただけで…
助けてくれたのに怒るなんて性格の悪いことしないよ。
「怒ってるわけないじゃん。むしろ、助けてくれて、ありがとなっ…!和也は俺を信じてくれたんだ!
さっきは ちょっとした冗談で……ほんと感謝してる!」
そのときには、もう涙は止まっていて俺は和也にニッと笑ってみせた。
すると和也は途端に顔を真っ赤にし、また俺の髪をワシャワシャと乱暴に撫でた。
………髪の毛ボサボサになった。
お前はムツゴロウさんか……。
そこで和也のお腹がぐぅーっとなる。
「腹へった~……飯にしようぜ飯ぃ。」
そんなこと言っても……もう お昼休み終わる直前だし…
もう少しで授業じゃん。
そのことを和也に伝えると、和也はニヤッと笑い
「どーせ次の時間 自習だろ?
サボろうぜー!♪」
そう言って、また俺の腕を引いてズンズンと歩き出していった。
俺………授業サボったら単位ヤバいんですけどぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 129