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【後日談】一夜の夢、一生の誓い …39
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「っ、ん…ぁ、ふ…っっ」
くちゅ、ちゅ…と、ゴンドラの中にキスの音が響く。
身体が、アツイ。
「ん、んんっ…」
雅治さんの手が、太ももを撫でた。
そのまま、ゆっくりとスカートの中に手が入って来る。
恐るべし!スカート!!
「ん、あ…っ!」
雅治さんの手の動きにイロイロと反応しそうになった時、ゴトンとゴンドラが揺れて、ハッとなって雅治さんの胸を押した。
身体を離して慌てて外を見たら、もうだいぶ地上に近付いている。
危ない…
夢中になって、周りが見えていなかった。
「もー!」
別に、雅治さんのせいにするつもりはないけれど、恥ずかしさを誤魔化すために、スカートの裾を引っ張りながら雅治さんをちょっと睨んだ。
「ほら!もう下に着くよっ。あっちに戻ってよ」
「フッ……はいはい」
雅治さんは、笑いをこらえながら向かいの席に移動した。
服や髪を治しながら、外の景色へと目をやる。
ああ、さっきまでの切ない気持ちは何処へやら。
胸が…熱い。
雅治さんとくっ付けるなら、どこでもいいんだ。
そんな当たり前のことを認識した時、ゴンドラの扉が開けられた。
「気を付けて降りてください」
さっきのスタッフの兄ちゃんだ。
俺の後に続いて降りてきた雅治さんを見て、その兄ちゃんはこんな事を言った。
「わ!チクショウ!イイなぁ!」
ちくしょう?なんで?
兄ちゃんはすぐに次の客の相手を始めたし、後ろがつかえるとマズイので、すぐその場を後にしたけど…
あの兄ちゃん、突然何を言い出したのやら。
そうして何気なく雅治さんを見上げると…
なんだか、唇がキラキラしてるような…
あ!
さっきのキスで、俺の塗ってるグロスが移ったんだ!
「うわっ!ちょっ!ちょっ、こっち来て!」
雅治さんを人気のない方に引き寄せる。
「えっ?なに?」
「くちびるに、俺の…っ」
さっきの兄ちゃん、これ見てあんなこと言ったんだ。
恥ずっ!!
バッグからハンカチを取り出して、ゴシゴシと擦る。
「取れたかな?大丈夫かな?」
雅治さんの唇を確認していたら、雅治さんにクスリと笑われた。
「えっ?何?」
「いや…なんか、可愛いなって」
「ええっ?」
「いや、ごめん。なんてゆーか、陸のその姿が、全く違和感なくて。口紅取ろうとしてるのも、なんか…なんで今までされなかったんだろうって勘違いするくらいしっくり来てて…」
雅治さんが、ゴホンと咳払いした。
「あぁ、女のカッコしてるのが違和感ないくらい、普段の陸も可愛いんだなって…」
雅治さんは、笑いを堪えるような仕草で口元を隠した。
えっ?
どーゆー意味っ?
普段から女みたい…って意味ではないよね?
とにかく、悪い意味ではなさそうな「可愛い」発言をされて…顔がボッと熱くなる。
「また!変なこと言わない!もー!今日の雅治さん、テンション変だよっ!」
なーんて言ってる俺のテンションの方が変かもしれないけど、それはとりあえず置いておく。
今日は照れ隠しもあって素直になれずに「もーもー」言い過ぎな気がする。
牛かっつーの。
「ごめん、ごめん。…でも…そうかも。今日の俺、ちょっと変かもな」
「え?」
「いや…なんでもない」
雅治さんはコホンと咳払いをした。
今日の俺、変って言ったよね?
やっぱ、いつもの俺じゃないし、調子狂わせてるよね。
でも、悪い感じには見えないから…いっか。
「さて…」
雅治さんが俺の手を取って、指を絡めた。
「他に行きたいところ、ある?」
その質問に、ツンと胸の奥が痛くなった。
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