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急接近 …仕返し
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「で、佐藤君て彼女いるの?」
飲み会も終盤かな?って時に、どうやら完全な酔っ払いの加藤さんが聞いてきた。
「いえ、いないです」
大学の時に付き合ってた人がいたけど、社会人になって、お互い時間が合わなくなって自然消滅した。
それから彼女はいない。
「へえ!モテそうな顔してるのに!てかさー俺の彼女がね…」
と、加藤さんは自分の彼女の愚痴を言い出した。
「〜〜でさ、どこでもここでも恋人つなぎしたがる訳よ。30になろうっていい男がよ?誰が見てるか分からない街の真ん中で恋人つなぎとか恥ずかしくて無理だっつーの」
と惚気を息巻いて、小栗さんと俺を見た。
話を聞いているのかいないのか分からなかった小栗さんが、グラスを傾けながら面倒臭そうに口を開いた。
「へー。…てゆーか、恋人つなぎって何?」
ん?
小栗さん?それはジョークでしょうか?
まさか、その顔で恋愛に疎いんですか?
「ハイ出た〜筋肉バカ!そんな事も知らないの?脳みそ筋肉なの?だから彼女出来ないんだよ」
えっ?こんなカッコいいのに彼女いないの?
「ハイハイ、煩いな。俺は今、仕事が大事なの。で?えーと、なんの話だっけ?」
そう言いながらグラスを置いた小栗さんの手を見て、俺はさっきお腹を触られた事を思い出した。
そうだ!仕返しだ!
そう、ふと思いついて、小栗さんの左手の下にスッと俺の右手を差し込んで指を絡めた。
「恋人つなぎって、こうやって、恋人同士が手をつなぐ事ですよ?」
ギュッと手を握る。
その瞬間、俺は心臓がキュっと言うような何とも言えない感覚がした。
な、何これ?
小栗さんの手のひら、超気持ち良い。
小栗さんはビクッと反応して俺の目を見てから、慌てて手を払った。
「〜っ!!あー、分かった!これね!知ってるし!」
そう言いながらビールを飲み干す小栗さんの耳が、微かに赤くなってるのは気のせいだろうか…
そんなにビックリした?
何にせよ、お酒の席とはいえ、やり過ぎたかな。
俺、大人気ない…恥ず…
そんな感じの俺と小栗さんにお構いなしに「でね、でね」と、加藤さんは話を続けた。
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