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続・各々の主張 …1
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雅治さんが自然と俺の隣に来て歩きだした。
「あの、ま…小栗さんはどうしてここに?」
「待ち合わせの駅がここって聞いてたから…その辺で飯食って、そこの本屋にいたよ。…メールもらってとりあえず車で待とうとして外に出たら、佐藤君を見かけたって訳」
嬉しい…
近くで待っててくれたんだ。
「そうですか…本当に、助かりました」
「ホントだよ…」
雅治さんが、苦笑いをしながら溜息を吐いた。
ううっ、迷惑かけて、申し訳ないです…
「あ、車こっち」
雅治さんが俺の腕にトンとぶつかるようにして、方向を変えた。
一瞬、手の甲が触れる。
ほんの一瞬。
なのに、ドキドキして仕方ない。
うう〜。
手を伸ばせばすぐそこなのに。
このウエストに、腕を回してギューってしたい。
そんな事を悶々と考えていたら、オカが後ろから声をかけてきた。
「ねぇ、さとちん。……この人?」
うわ…。
この短い質問の意味は「付き合ってるのはこの人か?」って事だよね?
チラリと雅治さんを見ると、任せるよ?と言わんばかりに微笑まれた。
「…うん」
嘘をつく気はない。
俺も短い返事を返す。
「ふーーーーん」
オカが溜め息まじりの反応をして雅治さんを見た。
し…品定めされてるのかな?
そんな俺たちのやり取りを、亜由美ちゃんは興味津々に眺めていた。
「あ、…小栗さん。この二人は大学の友達で、オカと、亜由美ちゃんです。今日は皆で飲んでたんです」
そう言えば、雅治さんにはオカと飲みに行くとしか言ってない。
さっきの人数…しかも女の子も混じってたし、雅治さん、何か勘ぐったりしてないだろうか…
「合コンだったんですよ」
うわー!オカーーー!!
なんてこと言うのっ?
「…へぇ、そっか。楽しかった?」
雅治さんが余所行き笑顔で対応する。
ううっ。
後が怖い…
「俺は、彼女いるからあれなんですけど…さとちんは亜由美ちゃんと途中消えたよね?」
と、オカが楽しそうに笑った。
うーわー!!
やめてーー!!
「ええ〜?オカ君、そんな事、言わないでよ〜?私もさとちゃんも、別に決まった人がいるんだからさっ」
亜由美ちゃんがプリプリした感じで言った。
「お互い、心配してくれる友達がいてありがたいけど…無理矢理連れてこられて困ったね〜?って話をしてたんだよ?」
「えっ?…あ、そうなの?」
オカが微妙な返事をした。
まぁ「無理矢理連れてこられて」とか言われたら…ねぇ。
何より、オカの望むように、亜由美ちゃんとくっ付かなくてごめん。
俺には、雅治さんがいるんだから。
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