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混交雑 5
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「おはよう…」
ロロは寝相が悪くて
「…おはよう…」
その上、早起きで
「おはよう!!」
朝からやたら元気で
「お腹空いた!」
とても健康。
「もう少し寝かせて…」
「食べる!」
「ぐえっ」
ロロがアルに飛び乗って、アルの口からはカエルのような声が出た。
「勘弁してくれ~」
寝不足な体を引きずってアルはキッチンへ行き、朝食を作ってミカを起こすと3人で食事を始めた。
「やけど、大丈夫そうだね」
ロロの右手はすっかり元通りで、赤味も無くなっていた。
「後でジルに電話しよう。で、今日はどうする?」
「ロロはどこか行きたいとこある?」
週末恒例の洗濯を午前中に終わらせ昼食を済ませると、これまた週末恒例の食料の買い出しに出かけることになった。
ただし、今日は天気も良いので、買い出しの前にロロの希望通り公園でサッカーをする。
当然、ボールは無いから途中で購入してから3人で公園へ向かった。
サッカーとはいっても3歳児相手だ。
パスをしたり、ドリブルをしてる‘つもり’のロロにちょっかい出してみたり、いつの間にかゴールキーパー役にさせられたミカにシュートしてみたり、なんとも微笑ましいサッカーだった。
日も傾き始めた頃、満足したロロを連れて買い出しに向かった。
ロロの右手がミカの左手に、ロロの左手がアルに右手に、並んで手を繋いで歩く自分達は傍目にはどう映るのだろう?
ミカは家族のようだなと思い複雑な気持ちになった。
アルと家族になった。
でも男同士では子供は生まれない。
今、ロロのいる位置に2人の子供が立つことは無いのだ。
それが悲しいわけでも寂しいわけでもない。
でも、ロロを間に挟んで、こうして歩いていると、嬉しいとか楽しいという気持ちになるのも事実だ。
では実際に子供が欲しいのか?と問われれば、ouiとは即答できない。
アルとの生活に満足していて、2人の暮らしが幸せで、他に要らないくらいなのに、急にこうして小さな子供が間に入り込んでくると嫌でないのが本音で…。
ずっと、‘新婚’を楽しんだっていいじゃないか。
そう思えるのに、それは幸せなことだと信じられるのに、不足ではないのに‘贅沢’してみたくなる。
焦って答えを出す必要は無い。
ミカは意識を目の前のロロに戻した。
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