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東の国のオウサマ
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「陛下、農家が新しい作物に挑戦したいと申し立てておりますがいかがいたしましょう」
「では、何を育てたいかを明白にして今月中に提出させて」
「陛下。今年も港町から珊瑚の便りが届きました」
「もうそんな時期か。一度視察にいかないと」
十日に一度行われる大臣たちとの会議。正直、退屈でしかたがない。
「ディジリル、また見合いの話しを断ったのか」
「父上、何度も申し上げましたが私にまだ世継ぎは……妃は早すぎます!!」
先王である父上は、会議の度に僕の世継ぎとお妃のことを持ち出す。もちろん、現在の王として世継ぎは考えないといけないことだけど、会った事も話した事も無い人と写真見ただけで結婚しろだなんて……父上は写真で一目ぼれしたらしいけど。
「陛下、それと……」
「なんだ?」
「境の村……マハザ村に、旅人が訪れているようです」
「旅人?」
この国では、旅人はとても珍しい。それに、幸福を呼ぶ存在として、旅人が滞在した所には幸福が訪れるという古い言い伝えがある。
「数日前に城下の食事屋で目撃されています。職業印は技師だったと」
「技師?」
「はい。一人だったようで、食事を終えると去っていったそうですが」
「……一度、その旅人に城に来るよう伝達を。くれぐれも手荒な真似はしないように」
「はっ」
旅人かぁ……どんなのかな。
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