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あまりの恥ずかしさいたたまれなくなり、僕は適当にお礼を残して、家に走った。
うわぁぁあっ!!!!!!!
何んでこんなに恥ずかしいんだよ!?
遊びに誘うくらい、普通なのに、男友達と出かけるなんて普通だしっ……。
は、晴山さんは……その、彼氏……だけど?
次の遊びの約束とか、こんなに恥ずかしくなる事なんて無いはずなのにっ…。
後ろでバタンっとドアのしまる音がする。
走る足音が、加速して、近づいてくる。
「裕太っ……」
「あっ、」
丁度、家の前についた時、晴山さんの腕が後ろから僕を抱きしめた。
肩に顔を埋めて、晴山さんは深いため息をついた。
「あっ、あの……」
バクバク────バクバク────
走ったせいなのか、抱きつかれているからか……その違いが晴山さんに伝わらないことを願いながら、この心音はきっと────後者だ。
「……なんか、怒りも吹き飛んじゃった……」
「怒り……?晴山さん、怒ってたんですか!?」
ため息と共に発せられた単語に思わず驚く。
だって、ここに着くまでずっと……寝起きは確かに機嫌悪かったけど、ニコニコしてて、さっきだって、キスもして、怒ってる素振りなんて無かったのに……。
「うん。すっごく怒ってた。」
「僕が友達と出かけるから?」
理由があるのなら、これが真っ先に思い浮かんだ。
さっきもなんだか……ねぇ……。
「それもあるけど、8割の怒りをしめてるものがあるの!!」
そう言って、晴山さんは抱きしめる力を強くした。
「えっ、えっと……ぇ……?」
いくら考えても、晴山さんが怒っている理由については浮かばない。
「…………別に今は教えない……。それよりも、さっきの何?」
「『さっきの』?」
『さっき』とはどの事を示しているのだろうか?
少し黙ってきてしまった僕を見かねて、晴山さんは口を開いた。
「次のデートのお誘い……!!」
「い、嫌でしたか!?」
昨日のデート楽しくなかった!?僕と一緒はつまんなかった!?あ!!お金沢山使わせちゃったから!?
でも、晴山さん、楽しいって……あ……お世辞とか!?
いや、でもっ────でも────っ
「嬉しかったんだよ────」
消え入りそうな声が、耳に響いた。
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