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動き出した気持ち 4
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カーテンの隙間から射し込む眩しい太陽の光によって目を覚ました。
…あれ…もう朝か…
何度か瞬きをすると視界がはっきりとしていく。
見慣れた天井をぼう、と見つめ、そういえば俺風邪引いてたんだっけと思い出す。
思い出さなければならないほど、すっかり身体の調子がいい。
凪は上半身を起こしおもいきり身体を伸ばすと同時に、自然と零れる欠伸に目を細めた。
ふと起き上がった拍子に落ちてきたタオル。
どうやらおでこに乗せられていたもののようだ。
「…ん?…」
斎の顔が浮かぶ。
嫌味な笑みをした斎の顔は、昨日の情事を思い出させるには容易いものだった。
「っ、!」
朧気な意識のなかに自分のあられもない恥態を思いだし心臓が大きく揺れた。
それと同時に、どこか寂しい気持ちもあった。
それが何なのかはよくわからない。
何か満たされない感情と、斎に対しての疑念。
いや、それが何なのか、大体察しはついていた。
ただその事実を知りたくはなかったのだ。
「…彼女いるくせにな」
一人、ぽつりと呟いた。
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