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合コン
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――――――――――――…
「なーぎ!」
学校へ向かう途中、歩いていたところを誰かが肩に腕を回した衝撃で体制を崩しよろける。
若干の苛立ちを覚えながら相手を見た。
よ!と手を上げ爽やかスマイルを見せる祐也。
「相変わらず毎朝毎朝うるせー奴だな。早く彼女の一人や二人作って俺に静かに学校行かせてくれ」
「またまたー!そんなこと言っちゃって!まぁ、そこでさ!今日合コンあるんだけど凪行かね?」
「行かねぇ。つか俺そういうの苦手だし無理っていつも言ってんだろ」
「いやいやいや行こうぜ!俺がちゃんと
フォローするし、大丈夫だって!」
必死になっているのか、更に腕に力が込められる。
「嫌だ。他の人当たれ」
凪は回された腕をほどこうと祐也の手首を掴んだ。
「凪マジでお願い!人数足りなくなるんだって!ほら、凪しばらく彼女いないしさ、いい機会じゃん」
そう言われ回されていた腕がほどかれると、目の前で両手を合わせて凪にお願いする祐也。
気迫に押されたのか、凪は溜息を大きく吐くと、わかったよ。と短く告げ歩きだした。
今までそう言っても全く頷くことのなかった凪に、驚きの表情を隠せない祐也。
逆に心配になったのか、
「何かあった?」
とまで聞かれてしまった。
昔から長い付き合いのせいかお互いにこういう変化には鋭い。だてに幼馴染みはやっていない。
だがそんな仲でも言えないことはある。
つか、言えねぇ。男にどきどきします。とか、言えるわけねぇだろ。引かれて終わりだこのやろう。
本当のところ、断り続けていた合コンに参加すると言ったのも、最近常に頭をちらつく斎の存在を消したかったからなのかもしれない。
自分の奥底にある斎への感情が沸き上がってくる感覚が怖かった。
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