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「梁瀬君もバスケ部だったの?」
「あっ、いえ。俺はバスケ出来ないので……あの、俺マネージャーやりたいんですけど……やっぱり素人だと難しいですか?」
「マネージャー!?本当!!?」
キラキラと目を輝かせて、俺の両手を握る千先輩。
え、なに…俺、なんか余計なこと言った!?
本当?と良かった、を繰り返し呟く先輩は、何故か涙を流してる。
ちょっと待って、……なんで!?
「あの…先輩?」
「あっ、ごめんね!!マネージャー、俺一人だったからさ、嬉しくて…!!素人だろうと全然大丈夫だよ!!
俺もね、中学は吹奏楽部でさ、バスケなんて全然興味なくて。高校は違う部活に入ろうって思ってた時に八尋に誘われて始めたんだ。だから大丈夫だよ!!」
一気に喋り倒した千先輩は、ちょっと興奮気味に俺の手を嫌ってくらい握ってくる。
でも、吹奏楽部からバスケ部マネージャーって凄くね?文化部から運動部って中々なくね??
俺の陸上部からは、まだ運動部だし……
大丈夫なのかな…?
「千先輩もこう言ってることやし!!大丈夫やって!!
分かんないことやったら、俺も教えるし!!何も心配いらんって!!」
「うんうん。俺も全力でサポートするし!!ね!?」
「……俺でも力に、なれることがあるなら、マネージャーやりたいです……!!」
「っ!!梁瀬くん~~!!!!」
「うわっ!?」
ぎゅーっと勢いよく抱きついてきた、千先輩をだきとめる。久夜と言い、抱きつくの好きなのかな…
でも、こうゆうの嬉しいかもしれない。
陸上は基本的に個人競技だから、周りとの絆みたいなのは、憧れだった。
こんなに喜んでくれるのは、凄く嬉しい。
「一緒に頑張ろうね!!明日からの仮入部も待ってるからね!!」
「はいっ!!」
「久夜君も!八尋と一緒に待ってるからね。」
「はい。早くバスケやりたくてウズウズしとりますよ。明日からめっちゃ楽しみにしとりますから!」
「今日は本当にありがとうございました!!」
「ありがとうございました!」
「いえいえ、また明日!待ってるね!!」
もう一度、お辞儀をして邪魔にならないように体育館を出る。
千先輩、めっちゃいい人だったな。優しかったし。
なんか、あんなに純粋な優しさとか、もう何年も触れてない気がする。
嬉しかったな。
「梁瀬、楽しそうやなぁ。」
「ちょっと、楽しみになってきた。」
「そりゃ良かったわ。俺もめっちゃ楽しみやねん。早くバスケしたいなぁ」
同じ徒歩通学で、駅まで一緒に歩く。
改めて隣に立つと、久夜の身長の高さを知る。
俺も170ちょっとくらいで、高1のわりには大きいはずだけど、久夜はそれより高いから、180はゆうに越えてると思う。
……大きい。
中学では俺より高いやつの方が少なかったから、ちょっと新鮮。
「梁瀬、じゃあ気をつけてな。」
「あぁ。今日はありがとう。また明日な。」
久夜は方向は一緒だけど、3駅目くらいで降りていった。
……今日は本当に楽しかったなぁ。
バスケ部マネージャーも、頑張ろう。
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