アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
もうひとりの思い
-
ある程度、歩いて空き教室から離れた廊下で絋は止まった
「……悪い…キス、なんかして…」
「…え、あ……大丈夫…ありがと…」
「おう……まぁ、探してたのはほんとだしな」
「なんか、用あった…?」
「葵さ、深瀬のこと好きなの?」
「…えっ……?」
いきなり、絋からそんなことを言われてどう答えていいのか困る……
「……俺さ、葵のこと好きなんだよね」
「ッ、え……ひ、絋が………俺の、こと…好き…?」
「そう……友達としてじゃなくて…恋愛として」
…気づかなかった……
「けどさ…葵、深瀬のこと好きだろ?」
「…………」
俺は俯いてしまった
好き……だけど…諦めなきゃダメだよな………
期待なんか、しちゃダメだ
否定しなきゃいけないのに……声が出ない…
「黙ってるってことは肯定って受け取っていいの?」
「…………」
「…葵、俺と付き合って」
「……えっ…それ、は………」
「無理にとは言わない。深瀬を忘れるために利用してくれていいから、さ…可能性があるなら、付き合ってほしい」
「……ッ………」
とても真剣な目だった
そんなに、真剣に思ってくれてるのに……その気持ちを利用なんか、したくない…
けど、その反面…絋なら忘れさせてくれるかもなんて期待してしまう……
「申し訳ない、なんて思ってるだろ?」
「…ッ………」
「さっきも言ったけどさ、葵が深瀬のこと好きなのは知ってる。深瀬のこと忘れられないでいるなら、俺のこと利用して?…他のやつじゃなくて、俺にして?」
「……絋…」
「葵、俺と付き合ってくれる?」
「…………ん……お願いします…」
「……葵」
「…んっ」
額にちゅっと触れるだけのキスをされる
「好き……葵…」
「…ん……ありがと…」
絋は俺をぎゅっと抱きしめた
…暖かいな……
俺も絋の背中に腕をまわした
次の日
朝、学校に着き朔斗は職員室に用事があるとかで行ってしまった
俺は教室に向かった
席についていると、絋が俺の席に来た
「おっはよっ」
「おはよ、絋」
「あれ、朔斗は?」
「職員室に用事あるって」
「そっか」
絋はじーっと俺を見てくる
顔になんか付いてる……のか…?
「なんか付いてる?」
「…ぷっ…ははっ、寝癖ついてる」
「…は、え……どこ?」
「ははっ、ここ…ここ」
絋は俺の頭を触った
……なんだかくすぐったい…
…絋…すっごい優しい顔してる……なんかドキドキ、する…
「葵って、くせっ毛そうに見えて意外と髪さらさらしてるよな」
「そ、かな……」
「ん?…なんか顔赤くね?」
絋はニヤッと笑ってそんなことを言ってきた
「赤くない…から…」
「頭撫でられんの好きなの?」
「…なっ…ち、ちがう…ッ」
「ははっ、かーわいっ♪」
「も、やめろって……ちょっ…」
絋は俺の頭をずっと撫でてくる
嫌ではない…けど………てか……恥ずかしい…
「こーっら、葵をいじめんなよー」
「でた、朔斗」
朔斗は後ろから抱きしめる形で後ろにいた
「独占欲強いと嫌われるぞ〜?」
「うるさいー」
二人は楽しそうに話していた
なんだかんだ、朔斗って誰とでも仲いいよな
そういうとこ、羨ましいなー
「おーい……葵ー?」
「………え、あ…どした?」
「もー、ちゃんと聞いとけよ〜」
ボーッとしてると絋が笑いながら話してきた
「ごめんごめん……それで、なんの話?」
「それがさ、」
絋はまた楽しそうに話してくれた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
47 / 85