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僕達の嘘
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月宮兄弟は語り出した。
どうして俺の部屋にわざわざ来たのか。その理由を。
彩星
「実は僕達、とある劇で主演を任されたんだ~。主人公は双子の兄弟のW主演の刑事もの~!」
彩月
「演劇部の僕達には、これが最初の舞台になるんだよね~。あくまで犯罪防止のための劇らしいんだけど、台本の人がすごいはりきっちゃって…大量のセリフを用意したんだ…」
どうやら月宮兄弟は演劇部だったらしい。
だからだろうか。毎回、息の合った行動や発言。
……いや、考えすぎか。
そして、双子は次に思いもよらぬ言葉を放った。
彩星・彩月
「「だから優人さん/くんに稽古を手伝って欲しくて来たんだ~」」
優人
「…却下。そもそも俺は演劇の経験なんか無い」
帰れ帰れ、と言うと月宮兄弟は何かを考えるように、顎に手を当てた。
あ! と月宮兄弟は何かを思い出したかのように紙袋からごそごそと何かを取り出した。
彩星・彩月
「「それじゃあこの高級キャットフードはゴロ吉にはあげられないな~」」
紙袋から、丁寧に包まれたキャットフードを取り出した。プレゼント用に包まれており、猫柄の白い袋に黒のリボンが施されていた。
リボンをゆっくりと取り、四つ折りにして床に置いた。
袋から長方形のキャットフードを取り出し、中から袋を取り出した。そしてゴロ吉の前で静かに袋を開いた。
キャットフードとはいえ、自分にもとても高級な匂いをしている事が分かった。
ゴロ吉は俺の腕を軽く噛みながらニャアニャアと笑顔でおねだりしてきた。
力づくでもこのキャットフードが欲しいのか。
噛みながらもヨダレを垂らし、目をキラつかせていた。
優人
「そんな顔しても駄目だからな……いった、痛いからやめろゴロ吉」
ゴロ吉は優人の腕をギリギリと噛み始めた。
噛まれた痛さにイラついた優人は微かに低い声で。
優人
「ゴロ吉。いい加減にしないと餌抜きにするぞ」
そう真顔でゴロ吉に告げた。
久しぶりに怒った優人に、ゴロ吉は体を丸くして震えていた。
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