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夢の世界の真実
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ガラスの破片が少しばかり散らばっている。
ふと空を見上げると雲がぷかぷかと浮かんでいた。
いつもと変わらないはずのように思えた世界。
だが何故だろうか。
風も吹かず、信号も青のまま。側に生えている花や草だって、微動だにしない。音が聞こえない。
夢…なのか……。
不思議に思いながらも、重い足を淡々と進めていく。
先程から汗が止まらない。
秋なのに、夢の世界はこんなに暑いのか…。
無意識のうちに、空へ手を伸ばし太陽を遮るように覆い隠した。
すると、どこかで子供の泣き声が聞こえた。
辺りを見渡せばその声の主がすぐに見つかった。
怖いものを見て泣いているのか。
その泣き声は考え込まれて零れた声ではない。無動作に泣いている。
「どうしたんだ」
声をかけても、泣き止まないその少年に、優人は軽くため息をつきながら優しく声をかけた。
「大丈夫だ」
小さな頭をゆっくりと撫でながら目尻を細くした。
「何があったか言えるか?」
少年に問うと、小さく頷きながらそちらを指で指した。
目に映ったのは、
交通事故の現場だった。
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