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「輝君とちゃんと話せてるかな……」
楓を送り出してからも繭の心はなぜか晴れず、何かがいつもと違うがした。本当に輝は来たのだろうか……。はじめて輝がこの教室に来た時やそのあとも、かならず絵画科に来ることがあれば女子が集まり軽い騒ぎになるくらいだった。それが不思議と今日は静かで騒ぎにもなっていない。念のためと思い先ほどの子に確認をしてみた。
「ねえ、よっちゃん。さっき楓君に伝言を頼んだ男の人って櫻木君だったのよね?」
「え? 違うよー。あまりこっちでは見たことがない人だったなあ」
ーーしまった……。
楓の心配をしすぎて、てっきり輝が来たものだと早とちりをしてしまい大きなミスをおかした。繭は急いで楓の元へ向かおうとしたが、自分の勘違いのせいで楓が危険な目にあってしまうかもしれないと考えると血の気が引き床に座り込んでしまった。
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