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あの後すぐにヒロシ君はブルブルと震えながら逃げていった。
まあ仕方ないか、わざわざ藤崎が出向いての脅しだもんな…。と、俺は「ご無事でしたか会計様、あのアバスレに何かされませんでしたか?」と大きな目をうるうるさせながら上目遣いで首を傾げる藤崎を見る。
「ありがと、俺の親衛隊じゃないのに……また何かお礼でもするから」
「いいんですよぉ、会長様を始めとする生徒会長の皆様の平和を守るのが僕達の役目ですから」
いやあ相変わらずキャラ濃いなあ〜。へらりと笑って藤崎のうるうるビームを交わしながら、俺はパタパタと向こうからかけてくるひとりの生徒に視線を向けた。
「かっ、会計様……っ、遅くなってすみません、大丈夫でしたか!?」
……くっ
「もう、まおりん遅いよ、会計様をお一人にするとああいう輩が来るんだから、毎日ちゃんとお供してよね〜」
「すみません…」
……んんっ
「いやいやいや全然ッ、気にしないで〜俺がひとりでもいいって言ったんだし…」
「会計様……」
…………あ〜〜〜〜もう!
「すみません、僕、明日からはしっかりお守りしますね?」
くっっそ……可愛いんだけど…………!!!
どうもはじめまして、会計様こと岡田麻人(オカダアサト)です。ここまで特に説明も入れず流れに身を任せていたのでそろそろ展開わけ分かんなくなってきたかなぁ〜〜っと思って!一旦ここで整理するね。
ここは山奥にある全寮制男子高等学校、普通の学校と違うのはここに通う生徒はほとんどが大金持ちだということ。大財閥の息子だとか、誰もが知ってる芸能人の隠し子だとか、そういうのがゴロゴロいる。それがそろってなんでこんなところにいるのか、理由としては大事な跡取りが問題を起こさないようにってのと、金持ち学園だけあってセキュリティ万全で安全ってのが多いかなあ〜
山奥だから敷地はめちゃくちゃ広いし、無駄に金をかけてるから設備も凄い、全寮制だけど食堂もプロの料理人を雇ってるし、自炊がしたいならスーパーもついてて、そこで大概の日用品は揃う。もちろん校外にも申請書を提出すれば普通に出られる。不便なこともほとんど無くて最高な環境なわけだ。まあ、男子校なんだけど。
そしてお気付きだろうか、先程のヒロシ君、親衛隊を名乗る藤崎、その他の生徒みんな男。そう、つまり俺は男に告白されたということだ。
初等部から高等部まであるこのマンモス校で、ずっと同性しかいないこの環境に置かれていると、同性でも普通に恋愛対象に入るようになる。思春期の男子高校生、色々溜まるし男に逃げでもしないと人間的に枯れちゃうから。実際、この学園のほとんどの生徒がバイかゲイだ。勿論俺もバイ。まさか面倒事を起こさないように男だけの環境に置いた我が子が男に走るなんて…と、嘆く親御さんもいるらしいけど、親御さん自身がこの学園の卒業生だったりするからね。社会に出ると現実を知り、ほとんどの生徒は異性愛に目覚めてまた家庭を築き子供を入学させるので、そうしてこの学園の歴史は紡がれていってる。
しかしだ、そういう環境でいくら設備が整っていたって娯楽は少ない。そこで生徒達は学園内に自分好みの人物を見つけ、アイドルのように持て囃すようになった。その基準は主に顔。同じ好みの生徒で集まり、できたのが親衛隊というファンクラブのようなものだ。
特に規模が大きいのは生徒会のメンバーの親衛隊なのだが、それもそのはず。何故なら生徒会の役員ははほとんど人気投票で決められるからだ。
この学園は生徒の自主性を重んじている為、学園内での取り決めや行事などは全て生徒会の仕事となっている。下手したら社会人並みに仕事をさせられるわけだが、これも将来人の上に立つ者として必要な経験、だとかなんとか言われて容赦無くこき使われる。そんな生徒会だからこそ、学園を任せられる人を生徒の投票で決定するという仕組みだそうだ。まあ学園創立当時はそうだっただろうけど、今では単なる人気投票になってるのが現実である。投票項目に「抱かれたい人」「抱きたい人」とか、どう考えても純粋な投票じゃないもんね。
まあそういうことで、抱かれたいランキング3位、抱きたいランキング5位にランクインした俺は、生徒会会計に任命されたというわけだ。全くもって不名誉極りない(抱きたいランキング5位がな!)。
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