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両手首をベッドに縫い付けられて、至近距離で洗剤がふわっと香る。
香水とか柔軟剤じゃなくて洗剤というのがいかにも晩里らしくて、色気とは対角にあるその世界に身を任せてもいいんだという錯覚に陥りそうになる。
駄目駄目。
危うく引っ掛かりそうになった清潔感の魔術から自分を引っ張り戻して即座に反論した。
「晩里~俺、そんな趣味ないよ」
何故か弱々しい声になってしまって自分でもびっくりした。
「分かってますよ、そんな事ぐらい!」
晩里は嫌そうに顔を背けて身体を起こした。
そのまま晩里がベッドから降りたから、こっちも起き上がって壁に背中を預けた。
「そのお菓子だらけの服で降りたら、折角綺麗にした床が汚れるでしょう」
「だねー」
どんな言葉を期待していたというわけではないけど、少し不貞腐れたような言い方になってしまった。
「今すぐっ」
いつもよりちょっと激しい口調で何か言い掛けて晩里は黙ってしまった。
今すぐ、何……?
こめかみに手をやって少し考えるような素振りを見せた晩里はそれ以上何も言わず、掃除機のノズルを手に取ると吸い口を外して床に置いた。
「じっとしててくださいよ」
カチッ。
フィーン。シュー。
先を外した掃除機のノズルが空気を吸い込みながら近付いて来て反射的に避けようとすると、反対の手で真っ直ぐに座り直された。
何? 何されるの?
シュゴーッ。ブホッ。
長袖のパジャマの左肩辺りに掃除機を当てられてそのまま二の腕から肘へと吸いとって行く。
肘まで来たら少しずらしてまた同じように肩から吸われた。
ボボボッ。プシュッ。
ボボボッ。プシュッ。
終わると今度は手首をギュッと掴まれて肘から先を吸引される。
掃除機の動きに合わせてパジャマに付いたお菓子のカスがパラパラと吸い込まれる。
両腕を吸い終わったところで晩里は掃除機のスイッチを切った。
「壁に手をついて背を向けてください」
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