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見えない壁(4/5)
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……やべ…妄想したら色んな意味でキタ。
下半身に血が集まっていくのがわかる。
ちょ…っ、俺しっかり!性欲どれだけあるんだよ。
そういやこの前、出してる最中に真琴がトイレに押しかけてきたし。
あーいう事されるとほんとに困る。
……つか、真琴って一人でしてんの?
全然想像がつかねぇ。
してるならぜひ見てみた…ごほん。
「…真琴」
「何」
「真琴ってお○にーすんの?」
「───…はぁっ!?」
ストレートに聞いてみると、真琴は目を見開き赤面した。
俺の方を見る瞳が動揺で揺れている。
「お…、お前、いきなり何を言いだすんだよ…!」
「気になったから?」
「…、そのくらいの事で聞いてくるな」
「男同士、恥ずかしがることはない。
それに友達だったらこれくらいの話はするだろ」
「そ、そうなのか…?」
「うん」
純粋な真琴を騙して、吐かせようとする。
すると真琴は戸惑いながらも口を開いたが、すぐに閉じてそっぽを向いた。
「…言わねぇ」
「な ん だ と …?」
「何か嫌だし。…恥ずかしいとは思ってねぇから。勘違いすんな」
真琴は顔を赤くしたまま俺を睨んでくる。うお…破壊力ぱねぇ。
その上目遣い、おいしすぎる。きっぱりと断るその口調も堪らない。
俺は、「自分ってなかなかの変態だな」と思っていた。だがこのまま真琴の傍にいると、真の変態になってしまいそうだ。
「…真琴って可愛いな…」
「…あ"?」
「いや…、ごめん、俺の勘違いデス…」
真琴は「可愛い」と言われるのを酷く嫌う。
ここ数日、一緒に過ごしてきて分かったが、真琴は“男らしく”を掲げて生きてるように感じた。
真琴は八方美人とは正反対の人間だ。
嫌なことはすっぱりと嫌と言うし、それぞれの人に対して態度を変える。
"完璧な人間"にはかけ離れてるのに、何でこんなに惹かれるんだろう。
「はぁ……恋愛って奥深いな」
「え、お前も今恋してんの?」
「……お前“も”!? “も”って何…!?」
まさか、真琴も恋をして「あ?…あぁ、長沢も好きな人できたみたいでな。恋愛ブームなのか?」……るはずないか。真琴だもんな…。
「頑張れよ、昴」
「言われなくても頑張るし。つか(今現在)頑張ってる」
「わ…悪い、余計だったよな」
「違…っ!違うんだ、真琴…!応援してくれてすげー嬉しいから」
「…そっか」
俺の弁解に真琴はホッとした表情を浮かべる。
が、突然何かを思い出したように声をあげた。
「…あ」
「どうした?真琴」
「言い忘れてた。俺、土日バイトあって他所に泊まるから」
「……は?」
「だから凪とケンカしたりするなよ」
いや、待て待て。泊まる?どこに?
急にそんな大きな爆弾を投下しないでほしい。
「バイトはいいとして……泊まるってどういうことだよ。どこに?」
「……?泊まれって言われたから。知り合いの人の家だよ」
「…何だよ、それ。知り合いってだけで親戚じゃねぇんだろ。危ないんじゃねぇの?」
「大丈夫だって、兄貴に近いようなものだから。けっこう付き合い長いし」
「…でも…」
「……どうしたんだ、昴…?」
必死に引き止めようとする俺を、真琴が不思議そうな顔で見てくる。
「……行くなよ」
本音が口から漏れだす。
それを聞いた真琴は少し驚いた表情をした。
「え…?」
「…行かないで。週末は真琴と一緒に過ごしたい」
「昴……」
真琴は少し俯いて思案顔をする。そして再度俺の方を見てきた。
「お前の気持ち、すげー嬉しい。俺もお前と一緒にいたい。
…けど俺、行かなきゃなんねぇの。
その人には沢山の借りがあるし、少しでも役に立ちたいんだ」
「真琴…」
「…一番の理由として……俺も会いたいんだ、その人に。大好きだから」
そんな風に言う真琴の表情は、少し嬉しそうにほころんでいて。
胸の中に、もやもやしたものが広がっていった。
「……ずりぃ」
「え?」
「その人だけずるい。…俺にももっとかまって」
と、無理を言ってみる。
すると真琴はおずおずと聞いてきた。
「…ヤキモチ?」
「うん。絶賛おモチ焼き中」
「ははっ、何それ可愛いな。…不謹慎かもしれないけど、嬉しい。自惚れていいですか、昴くん」
「もちろんですよ、真琴くん」
だって真琴のこと好きだし。
俺の返答を聞いた真琴が嬉しそうな表情で笑う。
真琴の笑顔は好きだけど、俺のことで笑ってくれる真琴はもっと好き。
真琴とソファーで仲良く(イチャイチャ)していたら、突然影ができて暗くなった。
何だ…?と思って二人で頭上を見る。
うお…っ、上半身裸の西條が冷めた表情で俺達を見下ろしてるではないか。
真琴も驚いたのか眉をしかめている。
「凪、服着ろよ。風邪ひくだろ」
あ、そっち?
真琴ってちょっとおかんっぽいとこあるな…。
「髪もちゃんと乾かせよ、凪」
「やだ。真琴、またドライヤーしてちょうだい」
「は?そんなうらやま…じゃなくて…っ、そんな負担になること真琴にやらせるかよ。
西條、俺が乾かしてやる」
めっちゃくちゃに掻き回しながら髪をぎりぎり引っ張って乾かしてやんよ。
俺の裏がありそうな発言に、西條は嫌悪感丸出しの表情を浮かべた。
「チッ…三橋にやられるなら自分で乾かす」
「最初からそうしろよ。…凪、ちょっと頭下げろ」
真琴は冷たい言葉をかけながらも、タオルで凪の髪を拭いてやっている。
くそ、そこ代われ、西條。
俺も真琴にタオルで髪をわしゃわしゃされたい。
……西條が髪を乾かした後は、真琴を取り合いする戦いが始まった。
勉強会なう。
「真琴、ここ分かんない」
「…は?これ基本問題だろ。昴…お前、今までどうやって解いてきたんだ?」
「いつもA☆KA☆TE☆N「ふざけてる場合か?」…はい…」
真琴の冷たい視線を受けて、少しショックを受けてしまう。そんな中、西條が真琴を呼んだ。
「真琴、俺の答えあってる?」
「ん…違う」
「え…」
「……あ、途中計算でミスってるからだな。それ以外は大丈夫だと思う。すごいな、凪」
「俺すごい?」
「あーすごいすごい」
しつこい西條に対し、真琴は真顔で西條の頭を撫でる。
すると西條がニヤッと黒い笑みを浮かべて俺を見てきた。くそ…っ、うらやましくなんかないからな。
「真琴!ヘルプ!」
「…お前は基本からだな。
俺、人に教えた事ないから下手くそかもしれねぇけど…我慢しろよ」
「大丈夫…!真琴が教えてくれるなら頑張るから」
キリッとした表情で言うと真琴がフッと笑って俺の横に腰を下ろした。
真琴の白い首筋が見て、ごくっと唾をのむ。
やべ……緊張してきた。
「…大丈夫?顔赤いけど。問題考えすぎて発熱したのか?」
「……平気」
問題じゃなくて、真琴が近くにいるから顔が赤くなったんだよ。
だって、さっきより距離が近い。
背中に真琴の体温を感じる。
幸せすぎて呼吸が少し苦しくなってきた。
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