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高校入学
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家から高校はちょっと遠め…。
バスも有るのだか俺はチャリ通。
通学費もバカにならない。
ウチは母子家庭なので
金銭的にも甘えたくなかった。
制服の学ランに袖を通し使い慣れたチャリにまたがる。
「いってきまぁーす!」
「暁、いってらっしゃーい!」
後ろで母と弟の海斗が声を揃えて言う。
「きちんと授業聞くんだよー!」
はいはい。空返事をして
勢い良くペダルを漕いだ。
ワクワクする!
今日ついにバトミントン部に入部する。
池くんも居る高校だ。
学校が近づくと妙に緊張してきた。
高校独特な空気に
少し大人になった気分になる。
チャリを置きカバンからクラス表を取り出し確認する
A組。
ボーッと見ていると後ろから聞き慣れた声
「暁ちゃーん!」
「あ、健、はよ~」
「暁ちゃん何組?」
「A組、健は!?」
「残念Bだ俺!部活もバラバラだし…なかなか絡めなく なるな。」
「健なら直ぐにクラスに馴染むょ背も高いしさー。
ってまた伸びた?サッカー部よりバレー部に入れょ」
「まさか!」
「だよな、サッカー命なの知ってる。」
二人で下駄箱に向かうと教室の前で
じゃ、と軽く挨拶をして別れた。
教室に入り黒板に目をやると、出席番号順に席に着く様に書いてある。
俺の席は窓際の一番後ろだった。入学早々ツイてる!
ドサッとカバンを机に置くと
ラケットケースは大切に椅子にかけた。
入学式とか終わったら直ぐに体育館に行こう。
体育館は教室から良く見える位置にあった。
前の席にデカイ奴が座って来る。
声をかけようか迷っていると
隣に座った子に先に声をかけられた。
「如月くんだよね?」
キョトンとして顔を見つめる。
「覚えてない?同じ中学なんだけどな。七尾和美よろしくね!」
「ごめん、ちょっと良く覚えてないや。けどよろしくな!」
「やっぱり覚えてないか~私結構サッカー部見に行ってたんだよ。」
「そうなの?えっと七岡さんは部活とか何か入って無かったの?」
「な、な、お。七尾だよ!」
笑いながら七尾さんが言う。
「あ、ごめん!」
「私は放送部に入ってたよ。結構有名DJだったんだょ」
と、言って再びニッコリ笑う。
目がぱっちりしていてショートヘアーが似合う可愛い子だった。
中学では部活に明け暮れ、
引退後もバトミントンに夢中になってたから
女子とか恋愛とかに全く興味が無かったけれど、
そっか俺も高校生だしなー。
「七尾さん中学の時から知ってればよかったな〜。」
なんて言うと、いきなり前のヤツに睨まれた。
ん???
ん????!!
見覚えが有るぞこいつ。
身長がかなり伸びたから印象がかなり変わったけど
間違い無くあの感じ悪いバトミントン部の奴だ…
てか身長伸びすぎだろ!短期間でズルくねーか!?
…何で同じ高校で同じクラスなんだょ……
「はーい席に着いてー。」
担任らしき人が入って来るとみんなが席に着く。
俺はムカムカしていた。
大体なんで毎回そう睨む訳?俺なんかした?
それに。そんな身体で目の前に居られたら
邪魔で黒板も見えねーょ。
ブスッと頬を膨らましていると
隣の七尾さんに気付かれて笑われてしまった。
気にしてても仕方ないか。俺は担任の話を聞く事にした。
全然聞いてなかったけど、席替えの話をしていた様だ。
前列のヤツに手伝わせプリントを先生は配る。
「とりあえず希望を座席のプリントに記入してくだい。一緒に明日からのスケジュールと入部届けも配ります」
前から渡されプリントを受け取るが奴は振り向きもしない。
一番最初に入部届けを記入した。
コイツもバトミントン部なのかもと思うと気が重い。
でも!部活で毎日練習出来る事の方が嬉しくなる。
次に席替え希望の紙を取り出す。
コイツの後ろは嫌だけど…
色々考えた末俺は今居る席に名前を書いて提出した。
この後入学式があるらしい。
集合したらまた、並びは出席番号順だ。
「尚、成績の悪いヤツは自動的に前の方に変更するからこころしろよ〜。」
プリントを集めた先生が言う。
うげ〜出席番号も席替えしてくれ〜、と言う気持ちと成績を維持しなくてはいけないと言う現実に再び気が重くなり、机の上に項垂れた。
「如月君、勉強苦手?解らない所あったらいつでも聞いてね!」
天使だ。七尾さんthank you
「ありがとな!すげー助かる。」
ニッコリ笑い返すと七尾さんもニカッと元気な笑顔で返して来た。
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