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「奇跡だって?…ふざけるなよ」
「奇跡だよ。旦那さんあんたの協力がいるね」
「協力…?」
「知ってるか?この国の神話には同性婚の神の話がある。それが俺の祖先だ」
そうか…
病院に通うようになってから知った、百合先生が読み聞かせが頭に残るのはそのせいだったんだ。
「『血を薄めて飲めばあらゆる病が治る』、残念だけどもう何万年も経って俺の血は薄すぎだ。それに神話からじゃあ病っていうのが、単なる風邪なのか、先天性のものなのか、突然変異なのかも分からない。
だから君の病気を徹底的に調べた。
残念だけど、君の病気を完治させる方法は俺にも分からなかった。
だけど君の病気は遺伝子のある特定の部分を活性化することにより、その病気を抑制することができる。
活性化させる条件は2つ。
1つは体の免疫応答が起きない媒介物を使って活性物質を君のDNAまで運ぶこと。これは俺の血が出来る。
2つ目はその活性物質…それは旦那さんあんたの片目が欲しい。あんたの網膜にある細胞が活性物質だ」
「…………」
「…………」
「…片目といっても、摘出前にあんたの遺伝子の再生細胞から分化させた目を作っておいて、摘出後にはめて視力は戻る予定だ。
ただ、万に1つ適合が上手くいかなくて視力が戻らない可能性があることもある」
「光彦、そんなのすぐ決められないよ!それにみちは今妊娠してるんだ」
「知ってるよ。だから会いにきたんだ。子供が生まれた後じゃ状況が変わる。
君の寿命はあと四年だからその子が三歳になるまで必ずは一緒にいれるよ。だけどこれから少しずつ症状が出てくる。
……決まったら、連絡して。俺の番号渡しておくから」
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