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桃色吐息
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(久我side)
「あ・・・あぁ、んっ・・・はッ、あぁ・・・!!」
髪を優しく梳く(すく)。
甘い声を出しながら、ソイツは熱っぽく蕩けた瞳でこっちを見る。
「大丈夫か?」
そっと手を止めて訊いてみると
「は・・・んん・・・だい、じょーぶ・・・だから・・・もっと、奥まで・・・」
その言葉と表情に、タガが外れたように腰を打ち付ける。
「はあっ、あぁああ!!ああ、あぁああぁあ!!」
「どう、だ?気持ち、いいか?」
「あはぁっ・・・あぁん・・・んんんっ!!あっ、アッ・・・気持ち、良い・・・気持ちいぃ・・・!!あっ、あぁ・・・久我、さん・・・久我さん・・・!!!あっ・・・らめ・・・そこ擦っちゃらめぇえ・・・あ、あ・・・あああ・・・ヒッ・・・キちゃう・・・あ、イっちゃ・・・イっちゃう、イ、イく・・・!!久我、さん、くがさん!!」
「児谷・・・児谷・・・!!」
「久我さん・・・久我さぁああん・・・!!」
「児谷・・・!」
「久我さん・・・久我さん!!!」
「!!!?」
「久我さん!あ、やっと起きた。早く起きてくださいよ・・・朝ですよ」
「あ、ああ・・・」
ゴシゴシと目を擦った。
目の前のコイツはピンピンしてるし、何も変わりない。
あんな風に、アンアン喘いでない。
「~~っ、何つー夢を俺は・・・」
夢だった。
夢オチだった。
コイツを好きにする夢・・・言ってしまえば淫夢、だ。
頭を抱えて自己嫌悪に陥る俺を、児谷は不思議そうに見ている。
「っ、今から起きるから、先に部屋に行ってろ」
「・・・?分かった」
児谷と同居することになったその次の日に、そんな夢を見るだなんて。
仕方ない、と言い訳をしておきたい。
だって、部屋の数と広さの都合上、一緒の部屋で布団を並べて寝ているのだから。
こんな近くで寝ていたら、それはそんな不躾(ぶしつけ)な夢も見るというものだろう。
・・・俺だってケンゼンな男なんだから。
男に発情しているのにケンゼンも何もないかもしれないが。
そっと、看病されているときから使っている(柏原の家から貰った)薄い布団を畳もうとしてまた青ざめる。
「・・・どうすんだよ」
布団を持ち上げると、俺のムスコは朝からラジオ体操をする小学生並みに元気に目覚めていた。
とりあえず無言で起き上がり、あくびをかましながら、少し前傾姿勢でトイレに向かう。
途中、児谷に何か言われたが、正直聞いている暇はなかった。
適当に流しながらトイレに入る。
入った途端溜め息とともにカギをかける。
仕方のないムスコだ。
朝から・・・くそ・・・。
目を閉じ息を殺し、俺はムスコを全力で鎮めにかかるのだった・・・。
<***>
(悠介side)
朝から久我さんの様子が少し変だったけど、考えてみたら初登場時から変だったことを思い出した。
危ない危ない、余計な心配をするところだったぜ。
久我さんがトイレに籠ったので、俺はそもそも何で今こうなってるのかを冷静に考えてみた。
・・・うん、ありえないな。
全体的にありえない。
まず、俺が人違いで借金取りの極道に追われていたってとこからしておかしいだろ。
気付けよ。
んで、何よりもその極道と同居してるって。
意味分からん過ぎて逆に笑える。
しかも何故かその極道(元)は、俺に交際を申し込んだりしてきていたワケで。
考えたらそんな告白されたの初めてじゃないかな。
だってキスもまだだったんだから。
だって高校生って、もう何人かはカップルになっていたりするわけでしょ?
何ならいわゆるせ・・・っくすもヤってるわけでしょ?
やっぱ笑えねーわ。
でも、あの人も突然だったんだよな。
それまでは普通に殺されそうだったし。
それが切羽詰ってヤケクソ気味に叫んだら
「身体で払え」
だもんな。
理不尽極まりないわ。
やっぱ、何か目に見えないナニかが出ていた可能性しか。
だとしたら、相当持続効果あるよな。
・・・久我さんは未だに、そんな風に思っているのかな。
思ってたら困るんだけど。
そうじゃないなら、それはそれでここに住まわせる義理もないな。
そんなことを考えていると、久我さんがげんなりした感じでトイレから出てきた。
よっぽど腹を下したに違いない。
お腹に龍を飼っているタイプの人間なんだろう。
「朝ごはん用意したんで食べましょ」
卓上にはご飯が並べてある。
二人分。
そこだけ見ると変な感じだ。
「あ、ああ・・・悪い、家事はするつもりだったんだが・・・それにしても、お前が作ったのか?」
「作った、っていっても簡素なものでしょ。ご飯に味噌汁に出来合いのおかず・・・色気もへったくれもないな・・・」
「色気、ねえ・・・」
本当は柏原さんに救援要請するつもりだったんだけど。
いつもなら笑顔で朝ごはんを出してくれるんだけど、
「・・・あの人にも食べさせるようなものを俺に作らせないでよね・・・」
と、断られたので仕方なくだ。
よっぽど久我さんのことが苦手らしい。
特に会話もなく朝ごはんを食べた。
そしていつものように(?)俺は学校に行く。
「・・・気を付けろよ」
そう、コワモテな男に言われてしまうと
「いや、おめーに言われたくねえよ」
と反論したくなる。
しないけど。
そんなんでボコられたら困る。
学校行く前にポコパンされたら困る。
そのポコパンは絶対楽しくない。
靴をひっかけ、ドアを開ける。
そしてドアを閉めたところで隣の部屋のドアが開き
「・・・悠介くん」
「あ、おはよーございます・・・?」
柏原さんに捕まったのであった。
・・・学校に行きたいんですけどね?
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