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鳥
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「なんかさ、あふぉりっているだろ」
隣の席から、多城が話しかけてくる。
「誰それ」
「さっきみんなで、見てた子」
「は、はぁ」
たしか、揺沢あとりという子が居たな……
ふと思い出す。
周りとは、あまり話さない女の子だが、別にいじめられることもなく、周囲と絶妙な距離を築いて一人で趣味に没頭してる。顔は悪くないが、不思議ちゃんと名高い。
でも、女子に限らずクラスメイトなんてあんまり覚えてなかったのだ。
「あの子、どこか抜けてるから裏でアホ呼ばわりされてるんだ」
「へぇ」
やばい。
至極どうでもいい。
「で、その子がなに」
「プリント、どうしようかなって」
ちら、と化倉が見た席は、一番右側の前列で、俺のいる真ん中の列の後ろからは遠い。
「持ってったら?」
「めんどい」
「あふぉりとか呼ばれてんの、その子は知ってるわけ」
「さあ、あまり興味が無いんじゃね?」
たぶん浸透してるだろうそれを、興味がないって、さすがだな……
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