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「俺の体壊れそう…」
「人間ちょっとやそっとじゃ壊れないから安心しな」
おしりを抑えながら不貞腐れた顔をする俺。
全然ちょっとやそっとじゃないから言ってるんだけどな。
先生って加減って言葉を知らないんだろうか。
いや知ってても加減しないな先生は。
先生に好き勝手された後、廊下を歩いて俺の部屋へと向かっていた。
何故先生もかと言うと鈴木のエロ本を没収するためらしい。
でも没収する理由は持ち込んではいけない物だからじゃない。
きっと俺が先生に似ていると言った女の人を見るためだ。
口角が明らかに上がっていたから間違いない。
部屋に着くと襖を開け、ただいまーと声をかける。
すると鈴木たちはまだその本を見ていた。
すぐに先生がいることに気づいたのか、途端にやべっと声を漏らした。
「あーははは、いなみんこんばんは〜」
「あははじゃねぇ、没収」
「いでっ!……くそぉっ」
パコっといい音を立てながらその本で頭を叩かれた鈴木。
思わずぷっ、と笑うとすごい顔で睨まれた。
いや睨みたいのこっちだからね!?
鈴木のせいで酷い目にあったんだから。
先生が部屋から去るとすぐさま鈴木に腕を引っ張られた。
「お前いなみんにチクッただろ!?」
「いや、どう考えても鈴木が見てたのバレただけじゃん」
「はぁ〜あと二日俺はどうやって生きて行けばいいんだよ」
布団に項垂れる鈴木にあの本にどれだけの力があるのかと耳を疑う。
亜太も言ってたけど、本当に性欲馬鹿なんだな。
呆れて眺めていると考えていることが声に出ていたのか、またギロっと睨まれた。
「ほー、一人で盛ってた穂中くんに言われたくないねぇ」
「は、はぁ…!?何言ってんのっ」
「男子トイレで抜いてたんだろ?邪魔しちゃ悪いかと思って出ていったけど、結構声漏れてたぜ」
…やっぱり聞かれてた。
と思うと同時に先生といることがバレてなくて良かったという安心感も募る。
それでも俺が変態みたいな感じになっているのは頂けない。
慌てて訂正しようと口を開く。
「俺そんなことしてないしっ」
「じゃあ今までどこにいたんだよ?」
「そ、れは…稲見先生の所。ちょっと体調悪くて」
「ほんとかよ?明日いなみんに聞いてやるからなー!」
言い訳を考えた結果、そんなことしか浮かばなかった。
まぁ先生なら何か聞かれても上手くやってくれるだろうけれど。
しつこくうるさい鈴木は放って置き、既に寝ている芽鶴の隣の布団に入る。
もう一方の布団では亜太がスマホをいじっていた。
構ってほしくて体ごとごろりと引っ付くと、スマホを置いてこっちに向き直してくれる。
「体は大丈夫なの?」
「えっ?あぁ…うん。今は何ともない」
「そう、良かった」
柔らかく笑って、俺の頭を優しく撫でてくれる亜太。
嬉しくなってそのまま正面から抱き着くと、手を広げて向かい入れてくれる。
ぎゅっと抱き締め亜太の体温を感じると、フッと一気に力が抜ける。
きっと先生に体力を搾り取られたからだろう。
すごく体が重くて、眠い。
耐えられなくて瞼を閉じると俺はそのまますやすやと寝てしまった。
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