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その後は何事も無くみんなの自己紹介は終わった。
「次ー」
「はーい」
この陽気な声に、クラスの女子達が注目する。
なぜならそれは人気者の由李くんだからだ。
彼女達がじっと見つめている中、由李くんは口を開いた。
「由李壮真でーす。渾名はー…うーん、好きに呼んでくださいっ。趣味はスイーツ巡りです。だから誘ってくれると嬉しいな。」
最後ににこりと笑った由李くん。
その顔に女子達は顔を赤らめた。
俺の隣の席の女子はこっそりとスマホをいじりスイーツ店を検索している。
いや、周りを見たら殆どの女子がそうしていた。
俺が呆気にとられていると、着席したはずの由李くんがまたも立ち上がった。
「あと!俺ちよと仲良くしたいから誰かちよの好きな物とか知ってる人は教えてー!」
もうそれは大声に…。
今まで学校の人と関わってこなかったものだから、俺の好きな物など誰もわかるはずがない。
しかも、あの由李くんと話す話題になる、という目論見なのか女子達はばっと俺を見た。
その視線が怖く、そして恥ずかしくて俺は俯いた。
放課になった瞬間、女子達が俺の机を囲んだ。
……最悪だ。
俺のことを知っているのか彼女達は机には触ってこない。
それは嬉しい。が、目付きは獲物を見つけた肉食動物だ。
「ねえ、好きな食べ物とかある?」
「え、いや…」
「普段どんな本読むの?」
「えっと…」
「櫻羽くんとずっと話してみたかったんだー!」
「はぁ…」
次から次へと飛んでくる質問に俺は困ってしまった。
俺が答える前に質問される。
何も答えられないままずっと質問を投げかけられていると、後ろから甘い声がした。
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