アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
57
-
「そんな無理しなくていいのに。………」
ガチガチになって、息も吐けない人の背中をさする。こんなにトラウマになるとか、昔、なにがあったんだろう。
変わらなくていいのに。ほいほいチュー出来るような人にはなってほしくない。俺のために。
さっきとは違って、今はよこしまな気持ちで、彼には変わってほしくないと願う。だってすげー可愛いんだもん。
尊い。たかがキスひとつで。
「…………やっぱ自分からすんの無理……」
蚊の鳴くような声で、權さんは言った。
「…………俺からするほうが怖くない?」
「いい…………して?」
「……………止まんなくなりそうなんだけど」
あ、怖がらせた。
だってぇ。
そんな可哀想で可愛い反応されたら、男なら、そりゃ。
「……やだったら突き飛ばして」
そう忠告して、ゆっくり唇を重ねる。怯えてる權さんの頭を撫でる。
中学んときだったか、俺の人生初のキスは。あのときだって、こんなに緊張しなかった。あ、ていうか、この人はいつぶりなんだろう。トラウマ、高校のときだっけ? いや、そのあとも誰かとどこかでは付き合ってるのか。直近ではなさそうだけど、大人になってからもしてるだろ。
軽く唇を重ねるだけのを、何度か。
離して、様子を伺う。まだビビってんなあ。
でも、さっきよりは。
「………続けても大丈夫?」
「………………うん…。……………ん、…………っ」
今度はわざと音を立てて吸い付く。
あー。逃げる。
可愛い。
…………やべ、止まんなくなる。
怖がらせたいんじゃない。
自制キツい。
あー。可愛いよー。もー。
「ん、っん…………や、……それ、……っ……」
「やだ?」
「んぅ、っ………ん、ぁ、……っ」
舌入れんの駄目かー。はー。可愛い。残念。可愛い。そりゃ駄目か。なんか若い子としてるみたい。背徳感。薄暗い興奮。ロリとか興味ねえんだけどな。この人がウブすぎんのが悪い。て、人のせいにしてみる。
性欲強いんで、知識も経験も人一倍ある。たいしたことしてなくても、やらしい音立てて、気持ちよくさせる方法なら知ってる。テクとも呼べない程度の方法。
それでも、權さんはぐったりして、俺に身を預けた。やり過ぎたかな。ぎゅって抱きしめて、頭を撫でる。ごめんごめん。つい。
本当はもっとすごいことしたいけど、我慢我慢。
「……………出来んじゃん」
わりと序盤で、突き飛ばされるかと覚悟してた。
「……………んん……」
「気持ち悪かった?」
「んーん?………」
まだとろけてる。あー。可愛い。
「大丈夫? 無理してない?」
「うん………こんなん初めて……」
一秒後。
二人で噴き出した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
58 / 196