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第十一章
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正月イベント初日。
TOP SECRETは、オープン早々満席。
「新年明けましておめでとうございます。早くも沢山のご来店ありがとうございます。本日は、お年玉イベントを開催しますので、楽しみにしていて下さい。」
店内の中央に立つ代表から挨拶があり、早くも店内は盛り上がりを見せる。
「迅鵺~っ、袴めっちゃ似合う~ドレスも最高に可愛いかったけどぉ~やっぱ、迅鵺はカッコいいね。」
「そうかよ。でも、クリスマスイベの事は、もう言うな。」
「迅鵺、照れてるんだ~」
「黙らねぇと、その唇(くち)食っちまうぞ。」
迅鵺の言葉(セリフ)に、つい顔を赤らめるお客。今年も、迅鵺は絶好調のようだ。
けれど、悠叶とは結局進展はないままで、迅鵺は内心不安になっていた。
なんでしてくんねぇんだ?こんなことで悩んだことなんかねぇから、どうすればいいか分かんねぇよ・・
「───迅鵺?ボーっとして、どうしたの?」
「いや、なんもねぇよ。」
営業中だというのに、プライベートで悩んでるだなんて・・・況してや、男の恋人に抱いて貰えないだなんて、誰にも言える訳がない。
迅鵺は、考えるのを無理やり止めてお客の相手に集中する。
今日のイベントは、お年玉イベント。
一席ワンチームとし代表を一名ずつ出して、用意されている樽酒を升一杯飲み干すとポチ袋を一つ貰う権利が貰える。
それをスリーゲーム行い、ゲーム終了後にポチ袋を開封。
当たりには現金やボトル、カクテルの引換券等が入っていて、ハズレには樽酒を升一杯イッキと書かれた紙切れが入っているというもので、正月イベント初日は大盛況となった。
イベント二日目、三日目と順調に盛り上がり、ついに最終日を迎えた。
けれど、悠叶とは進展が無いままだ。
「やっぱり迅鵺さんは、何を着ても似合いますね。白い袴、とてもカッコいいです。」
エッチはしようとしない癖に、こういうことをサラッとニヤけ顔で言ってくるとか・・マジなんなの?
迅鵺は、そんな風に思いながらも褒められて悪い気はしない。
悠叶に言われたからか、頬もほんのりピンクだ。
「そ、そんなことサラッと言わないで下さいよ・・恥ずかしい奴・・」
「恥ずかしくなんかないですよ?それより、そういう衣装って、どうしてるんですか?」
今回の袴はレンタルしたものだが、大抵は買っている。
今時コスプレ衣装なんて普通に売ってるし、少し高価なもので買いづらい物はレンタル出来るから便利だ。
「・・・悠叶さんは恥ずかしくなくても、俺が恥ずかしいんだよ・・」
「へっ?なんて言ったんです?」
「別に、なんもねぇっすよっ!」
ボソリと小さく溢す迅鵺に、聞き返す悠叶。
そんなやり取りをしていると、本日のイベント、ビンゴ大会が開催されるようだ。
ビンゴゲームは、全部で5ゲーム行い、最終ゲームの景品が一番の目玉、Wiiのゲーム機。
「そういえば、悠叶さん、ゲームとかやったりします?」
「あんまりやらないけど、Wiiはちょっと楽しそうですよね。」
「ふ~ん・・」
無関心そうな態度だが、迅鵺は内心で悠叶と一緒にゲームをしている想像をしていた。
“Wii当たんねぇかなあ・・”なんて、密かに思っている。
けれど、早くもワンゲーム目でビンゴを揃えてしまった迅鵺。
運がいいんだか悪いんだか分からないが、最終ゲームでまた揃えればいいだけのこと。
「おお~っ!ワンゲーム目にビンゴしたのは、迅鵺か。おめでとうっ!だけどぉ~タダではあげられないのが、TOPSECRETのルール!見事にビンゴした迅鵺くんには、こちらをイッキして貰いまあーす!」
ゲーム進行をしている代表に呼ばれて、代表の元へ行くと、お決まりのイッキが待ち受けていた。
迅鵺は、ジョッキに並々と注がれたシャンパンを店内全体のイッキコールの中飲み干す。
「流石はNO.1!見事なイッキでした!おめでとう!ワンゲーム目の景品は、SMグッズでぇ~す。迅鵺くんは、一体これで誰を虐めちゃうのかなあ~?」
代表の言葉に、きゃあきゃあと騒ぐお客達。
「だ~れ~に~し~よ~お~か~なあ~」
代表に便乗して、指をあちこちに向けながら悠叶が居る席に戻る迅鵺。
ワンゲーム目で、早くも店内は大盛り上がり。
席に着いて中身を見てみると、手錠にアイマスク、首輪が入っていて、迅鵺は手錠を取り出すとそれを右隣に居る悠叶の左手首に手錠を掛けた。
「ちょっ!?と、迅鵺さんっ!?」
あたふためく悠叶を見て、ニヤリと悪い笑みを浮かべる迅鵺は、自分の右腕にも手錠をする。
「ちょっとくらい、おふざしてもいいだろ?ここはホストクラブっすよ?悪ノリしなきゃ。」
迅鵺のニヤけ顔にドキリとする悠叶は、何も言えずに生唾を呑み込む。
そんな中、新しいビンゴカードが配られて、ツーゲーム目が始まった。
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