アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
マジックミラー 1
-
部屋に入ると、猇にソファーに座らされその場に放置された
無言で部屋を出て行く彼に波留はかける言葉がなく、ソファーに小さくうずくまる
猇は怒っている…
直感で解った
(…怒らせちゃったな。……俺の馬鹿。阿保。)
ボロボロと流れる涙を浴衣の上に零し、いくつものシミを作る
「……ふぇ…ひっぐ、…ぅゔ~…」
酔ってる分涙腺が緩く、嗚咽まで出始めた
すると、出て行った猇が部屋へと戻ってき、泣いてる波留を見て驚く
「おいおい、何泣いてんだよ。」
手に持っていた物をテーブルの上に置き、俺の前に座り込むと零れる涙を大きな手で拭ってくれる
そんな猇に更に涙が出てしまう
「一旦落ち着け。…な?」
困ったような笑顔を向けられ、波留は喉を鳴らしながらなんとか涙を止めた
「ひっく…っぅ…ぐすっ」
ここまで大泣きしているとは猇も思ってもいなかったらしく、波留が落ち着くと同時に大きなため息を吐く
「…で、どうしてお前は泣いてるんだ?」
猇に目元を何度も拭われ、波留は言葉を途切れ途切れで紡いだ
「……こうが…おこって、…るんじゃ…ないかって」
「あぁ、怒ってる。」
「……ぅ」
「でもな、」と言って波留を抱き上げる
「お前にも理由があったんだろ?…飲んじまった理由が」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
182 / 557