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険悪⑥
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「言っとくけど、俺じゃねえからな、あの電話。」
「うん…なんとなくそうかなって思ってたよ。電話だけじゃ無くて、あのメールも」
「…メール?」
サキくんは何の事か分かっていないようだ。着信履歴を見てすぐ、慌てて飛び出してきたため、メールの方は何の確認もしていなかったのだろう。
「何?メールしたの?」
聞き返す彼にコクリと頷く。
サキくんは不思議そうに首をひねっている。そしてそのままケータイを操作し送信ボックスを確認した。
「………!!」
画面を見るやいなや「なんだよ、コレ」と舌打ちする。
きっと彼の目には今、星やら音符やらが散りばめられた、可愛らしい一通のメールが映し出されているのであろう。
「…これも、俺じゃねえっ」
「…やっぱり?」
悔しそうに下唇を噛むサキくんに、僕は苦笑いするしかなかった。
「…他には、もうない?」
「うん。メールと電話だけ」
「あぁ、そう。」
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