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「予約期間が終わったら こんな恰好もしないと思うし…まだチラシも配らなきゃならないから、店に戻るよ…ゴメンね、みー…助けてくれて ありがとう」
「変な事する奴は容赦しないで投げ飛ばしなよ…李久」
「うん…あ、でも俺だって直ぐに解ったんだね…俺なんて鏡見せられても何だか自分だと思えなかったのに…」
「何年一緒にいると思ってんの?李久がどんな変装してても解るよ」
当たり前の様に言われて、李久は何だか嬉しくなった。
それから程なくして予約期間が終わり、老若男(ろうにゃくなん)の心を奪った謎の美少女は忽然と姿を消し、店内を見回しても熟女2人とソコソコ可愛いバイトのコ3人と、地味な少年しかいなかった。
そして、12月24日…
ケーキは予約以外に当日分も含めると普段の5倍も売れた…元々 味に定評があるのだが、予約数は去年とは比べ物にならない…
「李久のお陰よ」
叔母の晶子は嬉しい悲鳴をあげた。
戦場のような1日が終わり、当初貰う筈だったバイト料より多く貰えたおかげで李久は金の豚の貯金箱を壊さなくても良くなった。
(みー…喜んでくれればいいなぁ)
明日は午後から尾佐家でクリスマス&バースデーパーティーをするので昼間に古着屋に買いに行こうと、疲れた身体をベッドに潜り込ませた。
次の日…
疲れのあまり熟睡して、起きたらもう午後1時を過ぎていて、李久は慌てて顔を洗い食事もそこそこに家を出た。
途中で操の母親に会って驚かれた…
「あら…出掛けて来るって言ってたからてっきり李久君と一緒だと思ったのに…」と…
(み― が1人 で出掛けるなんて珍しいな…)
李久も、そんな事は滅多に無い事だが(小さい子供じゃないのだから…)と、その時は深くは考え無かった。
古着屋に行って、黒の本革のライダースジャケットを箱に入れて貰い包装をしたところで、鼻の下に髭をたくわえた50代くらいの店主に「プレゼントならリボンをつけるかい?」と聞かれて李久は慌てて「いえ、いいです!」と手を顔の近くで素早く振った。
(女の子にプレゼントする訳じゃないのにリボンは恥ずかしいよ…)
李久は、何故か胸が信じられないほどバクバクしてしまい、逃げる様に店を出た…
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