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replay third
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「真太郎!そいつをホールに入れるな!」
「コイツは負傷者なのだよ!」
「だから何だと言うんだ!」
「手当てをする義務がある!」
「そんなものはない!そいつをホールに入れるな!」
「だから負傷者だと言っているのだよ!」
さっきから続く永遠ループ式の会話。
扉を開けて俺達が入ってきた時、赤司は俺を見た瞬間「入るな!」と叫んできた。
そう言われてやっぱり出ていこうかなとか思ったけど、それより先に真ちゃんに引っ張られて中に入ってしまった。
入っちゃったもんはしょうがないよね、とそのまま出ていかないで立っていると、赤司がさらに怒鳴り出したわけでww
そんで、今に至るw
「そいつは僕達に銃を向けた!氷室達には干渉するなとも言ったそうだ!そんな奴をこのホールに入れるわけにはいかない!」
「それでも、この傷は俺を庇ってできた傷なのだよ!このまま放っておくわけにはいかないのだよ!」
ちらりと赤司が見てきた。多分傷の具合を確かめるために。
腕の傷はやっとさっき止まったばっかで、床に少し血だまりができている。深いのか、もう自力ではぴくりとも動かせない。
背中の傷は、壁に寄っかかることで隠したw
ん?なんでって?いや別に隠してるわけじゃないのよw寄っかかってないと倒れちゃうだけwww
と、赤司がキッと睨んできたから、ニコッと笑い返してやったww
あー、やば。なんか眠くなってきた?俺死んじゃう系?w血でも流しすぎたかねwww
ずる、と壁に沿って落ちるように座る。それで背中の傷の血が壁についたのか、赤司がハッとした。
「高尾!?」
真ちゃんがこっちに駆け寄ってくる。あれ、警戒心どこ行った?w
心配でいっぱいの顔をした真ちゃん。その顔が泣きそうにも見えてきて、慌てて笑顔をつくった。
「ごめんwちょっと限界っぽいかも。すまんね、言い争い待てなくてww」
すっげー眠いんだよね、と付け足すと、グッと何かを抑えるように真ちゃんの顔が歪んだ。
ホールを見渡すと、赤司以外の奴らの顔も見える。さっきのこともあるから、みんな怯えてたり警戒してたりしてる。
ま、そりゃそーかw
「しーんちゃんwお願いがあんだけどさ。」
「……何なのだよ。」
「俺がいた小部屋あんじゃん。そこに連れってくんね?w」
真ちゃんも俺を警戒してないわけじゃない。ただ、怪我の具合が悪いのか、無言で小部屋に連れてってくれた。
もう歩くのもちょっと辛いから、右腕(血が付かないようにねw)を担いでもらった。
「あそこ、俺のバッグのとこ。あそこまで運んで?w」
バッグの近くに座り、バッグを漁る。出てくるのは、ここで必要のないものばっかw
でもなくて。
「これ、包帯な。あと湿布とガーゼ、テーピング、栄養ドリンクもあるから。消毒液もあるから、これ使ってからやれよ?あ、チューインガムもあるわww」
まあバスケやってる奴でも持ち歩いてる奴はいねえかもなwそんな中持ち歩いてる俺スゲエwww
「手当てするのだよ。」
「ファ?いや俺は、」
「するのだよ。」
言いかけた言葉を遮られて、しょうがなく手当てをしてもらった。栄養ドリンクも飲まされた。
消毒液の痛さを思い知ったあと包帯でぐるぐる巻きにされて、なんか大怪我した奴みたいになった。
まあ実際大怪我なんだけどねw
でも、包帯は巻き慣れてるのか結構上手く巻かれてた。あれかね、手のテーピングやってるから慣れてんのかね。
「真ちゃんってさ、SG(シューティングガード)?」
「何故……テーピングか。その通りなのだよ。お前はどこなのだよ?」
「俺はPG(ポイントガード)。ホークアイがあるからな。」
しばらくその話題に花が咲いた。バスケの話は俺にとっちゃかなり久しぶりなことで、正直嬉しかった。
それに、話すのを止めれば今にも眠りそうな気がして、何だか怖かった。
傷の具合の酷さ。そしてこの睡魔。
寝たらどうなるのか、なんとなく分かった。
死ねねーよ。こんなところで。
それでも、もし死ぬことを考えたら、今ここで真ちゃんに話さなければならないことがある。
「真ちゃん達さ、ここに来る前になんかいつもと変わったこととかあった?なんか拾ったとか、誰かいつも会わない奴と会ったとかさw」
もし無いようなら、完全に俺が巻き込んだことになる。
そしたら、謝んなきゃなw
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