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巣を襲う鴉 caution
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玄関の呼び鈴が鳴った。
僕は弾かれたように飛び起きた。
弓弦さんが来た! と思ったのだ。
僕は脱ぎ捨てたTシャツをつかんで、急いで玄関に出た。
ドアを開けてハッとした。
巣に戻ってきたのは、愛しい人ではなかった。
僕は硬直した。
「おい、その格好」
奴は、そう言って、僕の手からTシャツを奪った。
僕は、裸だった。
恥ずかしさに、いたたまれなかった。
奴は、玄関に足を踏み入れ、逃げようとした僕の腕をつかんだ。
そして、ゆっくりと前をなすられた。
僕の身体から力が抜けた。
弓弦さん!
心で叫んだ。
貴方だと思ったのに!
どうして、どうして来てくれないの?
僕は、待っているのに!
僕は、声をすすって、泣きながらいってしまった。
無力を感じた。
僕は、無力感を脳髄にたたき込まれた。
僕は、こいつに殺されないように、とだけ考えた。
こいつは、いかれた野郎で、何をしでかすかわからない。
僕より腕っ節も強そうだった。
そんなに背は高くないが、野蛮人みたいな筋肉バカだ。
何か下手なことを言ったら逆上して、殺されるかも、と僕は思った。
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