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目につくby栗橋
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俺は何年も同じ人に恋をしていた。
相手は会社の先輩
顔は可もなく不可もない、大きな丸めの目が特徴的。
優しそうで大人しそうな雰囲気なのに、その心はしなやかで強い。
かっこよくて、可愛い先輩。
もともと男が好きな俺を、偏見もなく見てくれた人
でも、この人はノンケだから男を好きになることは無いだろう
だから少しずつ口説こう
そう思っていたのに
あっさりと突然出てきた男に掻っ攫われた。
並木拓真さん。
かっこよくて、明るくて、いけ好かない人
先輩は一途で、酷い男なのにそれでも彼が好きで。
よく泣いてた。
落ち込んだ所を付け入れば良かったのに
蒼先輩が本当に好きだから、
幸せになって欲しくて。
背中を押すようなことを言ってしまった。
後悔はしてない
してないけど、気持ちは簡単に整理できるもんじゃない。
だから、今だって彼をずっと見てしまう
フられたからといって、仕事には個人的感情は関係ない。
そうは思っても、やっぱり顔を見るのは辛い
「おはよ。栗橋」
自分の机に到着すれば、蒼先輩は笑いながら言ってくれる。
可愛い…
こんな人がそばにいて、並木さんは羨ましい
挨拶だけして、そばを離れられてしまう
目で背中を追いかけてしまう
「な、吉見先輩。なーんか、最近色っぽくない?」
隣の鶴瀬が耳打ちしてきて、俺はイラっとする
「そう?普通だろ」
「普通かぁー?色気っつーか艶みたいな?そんなのが出てる気がしてさ!」
確かに、そうなってるとは思う。
俺も思うんだけど、艶っぽくなるなんて
それは、きっと…
「男だけど、いけそうだよな!!俺はないけどさ」
「…黙れ」
にらみつけると、それまで笑顔だった鶴瀬の顔は一気に引きつった。
「こえー…」
ポソリと聞こえた声にまた睨み付けると、
鶴瀬は慌てて顔を隠した。
落ち着け、落ち着け自分!
とは思ってるんだけど。
やっぱり蒼先輩を見てると、胸の奥が熱くなってしまう。
フられてんのに、潔くない。
蒼先輩を見てると、すぐに
好き
という言葉が自然に頭に浮かぶ。
諦めろ。
蒼先輩には、並木さんがついてる。
俺は…
並木さんに敵わないんだから。
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