アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
相談相手。
-
「……で、お前 アキと別れたのか?」
急に立川さんが真面目な顔して聞いてくるから、思いっきりむせてしまった。
ゴホゴホと呼吸を整えてから再度立川さんの顔を見る。
……つーか……、
「……、っなんで知ってんすか、!!!」
一瞬、当たり前のようにいう立川さんに違和感すら感じなかった。
「あ"?、……お前、この前堂々と週刊誌に撮られてただろ、」
、、、……
「……、あぁ……、、。」
…そういえば、そんな事を聞いたような気がした…、、。
「……お前、人の事撮るくせに、撮られる時は気づかないのな、。…お前、週刊誌に抜かれるのこれで何回目だ?、ははっ…」
「……わっかんねぇ、…もう忘れた、」
普通の芸能人ならヒーヒーいってる状態かもしれないが、写真家にはそんなのなんでもない。
もはやこれは笑い話になるくらいだ。
「……で、アキはお前が惜しくなるほどいい女だったんだ?」
その笑いを含んだまま立川さんがニヤニヤして聞いてきた。
……惜しくなるほど…?
「…、は、?なんの話?」
訳がわからないと言い返すと
「はぁ?こんな朝っぱらからわざわざ話に来るほど、別れたくなかったんだろ?」
……いやいやいや……
「……、まっさか、、俺がそんな話するように見えます?」
立川さんなら、わかるでしょ、
そう付け加えてそういうと、
「…な、訳ないよな〜、悪い悪い、俺の願望だったわ」
と、立川さんが苦笑いする。
俺だってそうだ、。
誰かに振られて、本気で寂しがってみたい、。
、その前に、誰かのことを本気で好きになったり、、、なんて……
「……はぁぁ…」
「…っなんだよ、人の顔見てため息ついて!!」
「、なんか俺もう人間として終わってる気がしてきました…。」
ワイン片手にぐでーーと机にうなだれてそう呟く。
「、なんだよ今更…」
「……、本当、今更ですよね、、…というかどうせなら気づきたくなかったっすよ、わからないまましれーっと生きてしれーっと死にたかった、」
かれこれ今まで生きてきて、人を好きになった事がない、人と仲良くなりたいと思った事がない
"物体"としての美しさや魅力は感じる事が出来ても、自分という感情で、そんな感情を誰かに抱いた事がない
きっと俺にはその感情が欠乏している。
今思えば、父さんの左腕も、中学生の生々しい日常も、何一つ感情は抜けている、ただ物体としての美しさを撮っただけだった。
……これこそが多分アキに振られた理由だ、アキだけじゃなくて、もちろん今までも全部
ただ美しいものを、ただ生々しいものを、。
そんな写真に、本当の価値なんてあるのだろうか、。
もしそうだとしても、今の俺に誰かを本気で好きになる自分が一切想像できなかった。
最低
今更になって朝のあの言葉が頭をぐるぐると回る。
俺はワインの入った湯のみにぐっ……と力を入れた。
すると、
「……ったくお前はほんっとに繊細な奴だなぁ……」
うなだれた頭上から、立川さんの呆れたような声が降る。
「……繊細って…俺のどこが繊細なんすか…」
「…何って、…、、はぁぁぁ……お前は本当にそれにすら気づいてないのか?、本当お前は自分について無知だな」
「……無知って、。…たった今、きづきましたよ、俺が非人間的だってことに」
ボソボソとそういうと、
バシっっ!!!!
と急に頭に痛みを感じ、立川さんに叩かれたとわかる。
「、いってぇ!!!なんすか急に、!!!!!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 130