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飢えた獣
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視線すら逃げるのを許さないその瞳をしっかりと見ると、そこには顔を真っ赤にさせた俺が映っていた。
バカだよな…
人の事散々振り回しておいて、こういうときに…いや、こういう時だからか
……
俺に決定権を譲るんだ。
ほんのわずかの逃げ道を作って…
そんな針の孔みたいな逃げ道誰が通れるかっつうの
「……全部…
全部……あの不愉快な夢を見ないくらい…忘れさせなきゃ許さねぇから」
「言ったな?」
「い、言った…ひゃ…あッ……ま、待て風呂……」
鋭い目で見られたと思ったら、また首筋に吸い付かれた。
「どうせ今から汗かくんだから却下だ」
そういう問題じゃねぇよ!心の準備ってもんをだな!
「…ッン………くすぐった……」
鎖骨を這う唇と一緒にかかる息、圭太が動くたびに流れる髪が肌をくすぐる。
顔を隠していた右手は指を絡めたままソファーに縫い止められてしまった。
自分で言ったとはいえ、本当に今からするのだと思うと無性に恥ずかしくなった。
しかも窓の外から差し込む明かりは部屋の中を十分に照らしていて…
目の前にあるダークブラウンが日の光に透けて明るい色に染まっていた。
時々、そこから俺の様子を窺うように見あげる視線に腰のあたりがぞくりとする。
ただでさえ恥ずかしいのに、全部見られてしまう──────
そう思った瞬間、身体を少し起こしてじっと見降ろしてきた。
余裕がなくて…
苦しそうなのに…
でも喜んでいて…
まるでやっと獲物を捕らえた飢えた獣のよう
これは…
多分…何を言っても聞き入れてはもらえない。それこそ俺が怖がったりしない限り、止まらない
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