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ハプニング
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寒い、寒い、寒い寒い寒い寒い!
「寒いっ」
「黙ってやれ」
だって寒いじゃん。
それに、会長も震えてるしw
僕、篠宮時雨は、明後日のクリスマスパーティーのためにツリーの飾り付けに勤しんでる。
っていうか、なんで外なんだし。
ちなみに、クリスマスツリーは大きいモミの木。
「うー……寒いぃ……」
「あの、時雨さん、これどうぞ」
「港醍くん。
わっ、あったかい」
コーンスープの缶でなんだかあったまった気がする。
手だけw
「ありがとう、港醍くん」
「いえ、僕はこれくらいしか役に立てないので。
センスがないものですから……」
港醍くんは悲しそうに笑った。
あー、普段なら笑えるのに、港醍くんだとこっちまで悲しくなってくる。
「篠宮ぁ!
手ぇ動かせっ、ボケコラァ!!」
「委員長怖っ。
何あれ、元ヤン?」
「はい」
「え、マジか」
っていうか、元ヤンのクセに風紀委員長かよ。
つか、港醍くんとよく付き合えたな。
「おい、篠宮、そこのヤツ取れ」
「うん?
あぁ、これ?」
会長が指差した先の箱を見る。
飾りがたくさん入ってる。
「早くしろ」
「はいはい、もー、せっかちだなぁ」
僕は箱を持って会長が登ってる脚立の傍に立った。
「どれ?」
「箱ごと寄越せ」
「はい」
少し高めの位置の会長に、少し背伸びをして箱を渡…………
渡そうとした時、視界の隅で委員長が何故か、会長が登っていた脚立にぶつかっていた。
いや、なんで?
そしたら、ほら。
脚立が倒れて、もちろん会長は危ない訳で。
とっさに会長の下に入って受け止めた。
まぁ、ちゃんと受け止められなかったけど。
「悪ぃ!
だいじょ、う…………テメェら何してやがる!」
いや、こっちが知りたい。
なんで
会長とキスしてんの? 僕。
………………
現実逃避しよ。
と思っていると、会長が勢いよく起き上がった。
「な……なっ……///」
わぁ、顔真っ赤。
可愛いじゃんw
「おまっ……なっ……////」
………………本気で可愛いかも。
「ごめんね、会長。
ハプニングで“キス”しちゃって」
「っ~~~!!////」
バキッ!
え…………殴られたんだけど。
それに会長ってば走って逃げてっちゃった。
僕は殴られた頬をさすりながら上半身だけ起き上がった。
「うーん、一応助けたつもりなんだけどなぁ……」
「し、時雨さん、大丈夫ですか?!」
「うん、ほっぺ以外は……あれ?」
足……痛いかも?
「あの、時雨さん?」
「ごめん、足痛めたっぽい」
「悪ぃな、いや、俺が悪いのか?
元はと言えばアイツが……」
「翔、ダメですよ。
ちゃんと謝ってください」
「ごめん、篠宮」
弱っ。
「いや、いいよ。
でも足痛いから、ちょっと保健室行ってくるね」
「あ、付き添いつけます」
「大丈夫大丈夫、そこまで痛くないし」
嘘。
結構痛い。
いや、だってねぇ、ちょっと状況を説明すると、
委員長が何故か会長が乗ってる脚立にぶつかって、会長が落ちたからそれを受け止めようとしたら、何があったのか、会長の唇と僕の唇が重なっちゃって、下に居た僕は何故か足を痛めた訳。
うん、よくわかんない。
なにがどうなって会長とキスしたんだろうw
…………笑えない。
それにしても、会長の唇柔らかかったなぁ。
って、僕は変態か。
それにしても、足痛いなぁ。
しばらく歩いて僕は一度止まった。
「はぁ……ついてないなぁ。
それにしても……まさか会長とキスしちゃうなんて」
「悪かったな、オレなんかとで」
「え゛?」
振り向けば会長が不貞腐れたように立っていた。
「別にキスのことはいいよ。
それより、会長の方が嫌なんじゃない?
僕のこと嫌いなんでしょ」
「…………別に嫌いじゃ……」
「そうなの?」
「……………………
悪かったな、殴って……」
「あー……それはいいけど。
可愛い会長見れたしw」
「…………////」
あれ、顔真っ赤。
「なに、キスとか慣れてないの?w」
「…………初めてだ……」
「…………………………え?」
「……ファーストキスだっつってんだよ」
え、まさか…………
「ご、ごめん」
「…………ハプニングだし、それに、篠宮は助けてくれようとしたんだろ。
怒れねぇよ……」
「ノーカンでいいよ、ノーカウント」
僕が慌ててそう言うと、会長は少し悲しそうになった。
………………なんで?
「それより、どこ行くんだ」
「え? 保健室だよ」
「頬か……?」
「違うよ、足。
痛めたみたい」
「……オレもついていく」
「え、いいよ」
「いや、元はと言えばオレのせいだろうし」
いやぁ、本当は委員長が悪いと思うんだけど……まぁ、いっか。
会長に肩をかりて保健室まで連れて行ってもらった。
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