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必要ねぇよ【side/周防 恭介】
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とにかく俺は
この場所から今すぐ去りたくて
椎名を無視して
大股で歩き続けた
移動の呪文を唱えるかわりに
『殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す×100』
呪いの呪文を唱えまくる
『ヒイラギ スバル』?
はぁ?
頼んでもねぇのに
勝手に名乗ってんじゃねぇよ!
そのアホ面に付いてる口に
ガソリン流しまくって
火ぃ付けてやろうか?あぁ!?
――――『春馬』
俺だって呼んだことねぇのに………
くそ…………っ!
『つま』ってなんだ
『つま』って
お前を刺身に捌いて
たっぷりと添えてやろうか?
あぁ?コラ!!
『死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね×200』
すかした顔で
人のもんに気安く触りやがって……っ!
椎名が蹴り飛ばさなかったら
俺があの世の彼方に送ってやったのに!
「家に、居候してて……」
その言葉で
椎名と奴との
濃厚なベッドシーンが
頭に浮かんだ
………………………
ぐはっ………!
変なもん想像して
勝手にダメージ受けてんじゃねぇよ俺!
『消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ×500』
あ――――――っ!
破壊衝動がぜんっぜん消えねぇ!
この腸の煮えくり返り
どう処理すればいいのかわかんね―――!!
「恭先輩!」
椎名が突然
俺の前に立ちはだかった
「触んな」
この場で
犯されてぇのか?
も―――――っ!!
声を聞いてるだけで
我慢できねし無理……っ!
早く去らないと
ホントにマジで
この道に組み敷いて
人が見てようがお構いなしに
めちゃくちゃに
抱いてしまいそうだ………っ!!
何で法律なんてあるんだ!
今だけ世紀末覇者のような
無法地帯に変えてくれ!
俺は椎名を無視し続けて
大通りに出ると
タクシーを呼び止める
「言い訳もさせてくれないなんて
…………ひどいよ………」
後ろから
弱々しい椎名の声がした
少しだけ我に返る
――――違うんだ、椎名……
お前を苛めたくて
無視してるわけじゃねぇんだよ
冷静になる自信がねぇ………
今の俺に
話を聞く余裕なんて……
―――――――――
はぁ……………
馬鹿か、俺……
自分を取り繕ってる場合か?
大事なのは………
大切にしなきゃいけないのは
椎名だろーが……
不安にさせてどうすんだよ………
――――言い訳…………
別に必要ねぇけど
まぁ…………
これ以上酷い男だと
思われたくねぇし
つか、時間ギリギリまで
ここで話すつもりだったしな………
―――俺は拳を作り
タクシーの縁を軽くゴツくと
息を深く吐いて
気持ちを落ち着かせる
運転手に
少しだけ待ってくれるよう
お願いをし
会いに来た
当初の目的を果たすため
俺は振り返って
椎名の前に立った
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