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チョロ松が就職する話 ④
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――――早朝――――
誰よりも早く起きて着替えを済ませ、ご飯の支度をしたり思い出が詰まったアルバムに部屋、物を見て回る。
1冊のアルバムを開いて、おそ松兄さんの写真に目をやる。
「懐かしい。」
タンタンと階段を降りてくる音がして咄嗟にアルバムを閉まった。
おそ松兄さんの笑ってる写真も胸ポケットに閉まって。
他の兄弟が起きてくるのには早過ぎると思っていたが時計を見れば9時を過ぎ、ぞろぞろと階段を降りる音が聞こえる。
9時過ぎでも他の兄弟が起きるには早い。
「今日僕が出てくから早起きなのかな。」
さ、ご飯食べに行こうか。
――――――――――――
「向こうに行っても元気でね。」
皆、口々にこう言う。
親にも兄弟にもハッキリとした場所は言ってない。
~の近くの~あそこら辺みたいな感じでしか言わなかった。
だって、上がり込まれたらその場の雰囲気に飲まれてしまうんじゃないかと不安なんだ。
違う
また家族団らんの想像をして、寂しくなるから。
もうこれで、少しの間この家に帰ることも、顔を見る事も無くなってしまう。
今更、頭の中「寂しい」で渦巻いててもしょうがない。
もう手遅れなのだ。
「それじゃあ、また会いにくるよ。」
僕はその一言を残して隣町へと引っ越した。
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