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18歳以上ですか?
高い場所からにしおりをはさみました!
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高い場所から
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「大丈夫ー?」
「大丈夫です!」
ギュッと左足に力を入れる度に痛みが走る。
「なんでこんな上につけたんだ?」
雄大はブツッと呟いた。
ようやく梯子の頂上に跨ぐように座った。
雄大は3つの中で1番小さな掛け時計を外し、左下にいる店長を見た。
「ほい、頂戴。」
下に手を伸ばす時、足に力を入れる度に唇をかんだ。
「はい。」
「おいよ。」
時間の止まった1番大きな時計と向き合っていた。
「あと1つ、雄大君、頑張って!」
下から応援の声が聞こえる。
かと思ったら…
「あっ、はい。あぁ、はいはい、こちらです。」
「……えっ?」
店長の頭がペコペコしながら、段々雄大から離れて行く。
「………」
店長が茶髪の女性を手で案内している頭が見える。
「ふぃーー。」
雄大は息を吐いた。
梯子の上から下を見ると店内が一望できた。
(わっー、野上さん近いなーーあの距離、胸当たるじゃん!上村、ポーカーフェイスだなー本当に盛んな10代か?おっ、西川ちゃん顔が怖くなってる!やべっ、目があった!)
目をそらして遠くを見ると向かいの店が見えた。
(あっ、あそこの店、めっちゃ美人じゃん!)
高い所からの風景は新鮮で、ぐるぐると周囲を見渡していた。
「!!?」
”俺が教えてやろうか?”
(朝の声が聞こえる。。)
急に身体の力が抜けていくのがわかる。
「あぁっ…」
人混みの中、華奢で背の高い後ろ姿。
きっちりと撫でつけられた髪にスーツ姿。
淫らで怖い夢の事を思い出してしまう。
「うっ…」
雄大は身を隠すように身体を揺らした時、左足のビリッと痛み、梯子から足が滑った。
「雄大君!!!危ない!!」
(成康さん!?)
落ちる!っとわかった時、ふわっとスローモーションなように感じて、すぐにゾッとした感じが背中に走った…
と思ったら、すぐにガーンとした強い衝撃を受けた。
ガシャガシャガシャン
ガツン
骨まで到達するような痛みが身体を突き抜ける。
朦朧する頭で濡れた床の感触だけが頬にあった。
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