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最高の調味料 5side水怜にしおりをはさみました!
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最高の調味料 5side水怜
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風翔が魁虎とスイーツを奢る約束をした後、何気なく隣を向くと水怜が泣いていることに気がついた
風「おい、水怜どうした?」
水「なんでも…ありません……」
本当だ…
魁「何でもないわけないよ。どうしたの?」
凄く…
水「………くて…」
魁「え?なんて言ったの?」
水「おい、しくて…こんな風に皆で食べたの
初めて、で…嬉しくて……」
家からも出れなかった僕は、部屋の中で勉強をして、本を読んで、たまに遊んだ…全部1人で…。ご飯もいつも1人。寝るのも1人。楽しいお話を出来る人もいない。でも、仕方がなかった……
だって、お父さんもお母さんも死んじゃってたし、慶も家の事で忙しそうだった。寂しい…なんて、忙しそうな慶を見てたら言えなかった。使用人になんか尚更だ
雷「水怜、1つ良いですか?」
水「はい…」
雷「これからは私と風翔、それに綾瑠と一緒に食事を
することになります。何もかも皆と一緒です。
もう1人ではありません
ですから、寂しくありませんよ?」
もう…1人じゃない……僕は、もう寂しくなくていいの?
魁「話遮るけどさ、生ハム食べるなんてひどいよ!」
蒼「ごめんてー。今度焼肉連れてってあげるからさー」
魁「マジで!それ約束だぞ!」
風「さっき俺ともスイーツの約束したろ…」
…もう、我慢しなくていいんだ……1人で居ることないんだ……寂しいを…我慢しなくていいんだ……
水「皆さん…ありがとう……ございます……」
皆が水怜の言葉に微笑んでいるとドアが開く音がした
綾「はーい、お待たせー」
風「綾瑠!待ってたんだぞ?ただいまくらい言え!」
綾「ごめんごめん。綾瑠さん只今参上ー、っと……
んでさ、何で水怜は泣いているんだ?」
水「あ…これは、」
蒼「はーい!風翔が泣かせましたー!」
風「はぁ!?」
綾「へぇ…風にぃ、俺の弟を泣かせたんだぁー
へぇー……」
風「ちょっ!おい、俺の話を聞け!つーかこれ、
お前から頼まれたことなんだけど!」
え…?頼む?……兄様が…?
綾「確かに頼んだな
けど、泣かせていいとは言ってない」
風翔はあわあわしながら席を立ち綾瑠の方に向かった。その時、斜め前に座っている魁虎が水怜に小声で話しかけてきた
魁「綾瑠さん、此処に戻って君に手を洗ってくるように
言った後、僕に言ったんだよ」
『飯がもっと美味くなる方法をあいつに教えるから
協力してくれないか?』
水「そんなことを…何で……」
魁「弟だからだよ。蒼から聞いた話だと、
綾瑠さんは幼い頃に事故で両親を亡くして5歳まで
孤児院で育ったみたいなんだ」
水「兄様が…孤児……」
孤児だなんて思ってもみなかった…
魁「そう。だから、綾瑠さんは家族を何よりも
大切にして、幸せを願うんだ。って、蒼が言ってたよ」
水怜は綾瑠に視線を向けた
水「っ!」
言い合っていたはずの綾瑠と風翔を含めた4人が笑顔でこちらを向いていた
綾「水怜、これからはちゃんと我儘言えよ?
我慢なんてするな。いいな?」
水「兄…様、それは…」
綾「返事は『はい』か『うん』か『yes』か
『分かった』しか聞かないからな」
それって、拒否権ないじゃん
水「ふふっ…ふふふふっ……」
兄様は、僕を嬉しい気持ちにさせる天才だな…
綾「分かったか?」
それに、兄様の笑顔って…
水「分かったよ、兄様!」
太陽みたいに温かい
兄様に会えてよかった……
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