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監禁にしおりをはさみました!
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監禁
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浅黄は駅前のファーストフード店でハンバーガーを食べながら、これからどうしようかと考えていた。
ここ3日ほどは、漫画喫茶で夜を過ごした。
失業しているため、アパートを借りることは難しい。
住まいが決まっていなければ、仕事に就くことは難しい。
いい考えは浮かばなかった。
不安な中で、なるようになれだなと思った時、一人の男が自分の前に座った。
髪が薄く、眉毛もほとんどなく、下品な目つきでじっと浅黄を見据えている。
「次の仕事は見つかったか」
「いや」
まばらにしかない歯の間から空気が漏れるため、聞きずらい男の言葉を聞いて、
この男と以前会ったことがあったかなと考えていた。
「ある人が、お前に頼みたいことがあるそうだ。ちょっと、顔を貸してくれ」
男はそういうと、下卑た笑いをして立ち上がった。
浅黄は彼の後について店を出た。
胡散臭い感じはしたし、頼みたいことはおそらく非合法なことだろうと想像できたが、
何かやることがあるのは今よりましな気がした。
二人が通りに出ると、どこかで待っていたバンが目の前に停まった。
男は助手席に乗り、浅黄は男の指示通り、後ろに乗った。
後ろには窮屈そうに座っている大男と、眼鏡をかけたインテリ風の50歳近い男がいた。
大男は浅黄が乗り込んできた途端、後ろから彼のわきに腕を回し、体を押さえた。
浅黄がもがこうとしてもびくともしなかった。
もう一人の眼鏡の男は、傍らに置いてあった鞄から注射器を取り出すと、
浅黄の腕をまくった。
眼鏡の男が右手を挙げて合図を送ると、車は発進した。
浅黄は気が遠くなりながら、
彼らが車を走らせる前に注射を済ませるくらいの配慮はするんだなと考えていた。
彼が目覚めたところは、ひどく狭い部屋だった。
ベッド以外には、物は何もない。
コンクリートがむき出しの床と壁、窓はない。
ドアは2つで、1つはトイレ、もう一つはこの部屋に出入りするためのもの。
トイレのドアは開いていたが、もう一つは閉まっていた。
浅黄はベッドから足を下ろした。はだしだった。
頭がくらくらして、少し寒かった。
彼はTシャツと下着しか身に着けていなかった。
あたりを見回したが、彼の服も靴も見当たらなかった。
彼は部屋のドアまで近づき、ドアノブを握った。
その途端、ドアが開いた。
ドアを開けた男は、反射的に目の前にいた浅黄を蹴り飛ばした。
浅黄は胃を押さえながら、床にうずくまって入ってきた男たちを見上げた。
車に乗っていた3人だった。
「ドアの前に立って、人を驚かす趣味でもあるのか」
店で声をかけてきた男が言った。
「服と靴を返してくれ」
「必要ない。お前は当分、外に出ないからな」
「俺を誘拐しても、誰も身代金なんか払ってくれないぜ」
「お前の言う通りだ。お前が何日帰らなくても、誰も気にかけやしねえ。
お前には家がないんだもんな。
それに、出社してこないって心配する会社もない。
どこかでお前の死体が発見されても、身元がわかるまでに時間がかかるだろう。
まあ、のんびりしてけってことだ」
そういうと、部屋から出ていき、外から鍵を閉める音がした。
わけがわからなかった。
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