アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
3章ー10にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
3章ー10
-
放課後。実際に中庭に来ると、明らかに一人じゃない。
それどころか10人以上の女子が俺を睨みつけてくる。
俺は足がすくみそうになった。
「なんでこんなに」
「なんで??それはこっちのセリフなんですけど」
明らかにリーダーのポジションにつきそうな女子が俺に近づく。
怖い、怖い。
悪意をもって近づくこの女が怖い。
「あんたさ、泉くんと一緒にいて、しかも泉くんはあんたのこと好きなんでしょ?そのアピール無視して金城先輩とは放課後こそこそ何かしてるわ安達くんには気に入られてるわで腹立つのよ!!」
これを言ったのは、泉にアピールしていて、かつ俺を呼び出した本人。
後ろのほうで叫んでやがる。
たぶんこの子が嘆いて、それから俺の不満がたまった連中がこうやって集まってるんだ。
「・・・」
俺は言葉が出ない。ただ、女子を睨みつけるだけだ。
「黙ってないで何とか言えよ」
女子が俺の胸倉をつかむ。
怖い。その怖さは、暴力振るわれるかも、とかじゃなく・・・
——————悪意を向けられるのが、怖いんだ。
俺は普通だから。安達や金城先輩や泉や三条先生みたいにかっこよくもないし、惹かれるところもない。
だから、特別な感情を向けられたら、好意を向けられたら・・・その分周りに疎まれる。
俺は、それが怖いんだ。
相手が男だからとかなんかより、重要なことだ。
俺はそれにずっと背を向けていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
69 / 154