アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
54にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
54
-
ドクン、ドクンと心臓がうるさい程に鳴っている。
耳元で太鼓を鳴らしているような煩さ。
体が熱くなって、椿は思わず胸元を抑えた。
なんか、暑くないか……ここ……。
「うーん……特に偏見は無いよ。だけど……」
智の言葉を聞きたい。
けれど、声が揺れている。
頭の中で反響を繰り返しているような聞こえ方。
あんまり何を言っているのかわからない。
それに視界も揺れている。
額に汗が滲んできたのを拭って椿は熱い息を吐いた。
回らない頭で症状を並べていく。
「椿くん?」
髪を触りながら椿が智を見た。
瞬間、ビリビリと皮膚に電流が走った。
優しい声音とその顔が5感を刺激する。
あ、思う間もない。
下半身がじくじくと疼いて、脈打ち始める。
「すいません、ちょっとトイレ、に。」
来ていたTシャツを思い切り引っ張って立ち上がった椿の顔は赤い。
浅い息を繰り返しながらポケットを探った。
あ、やばい。
やばい。
みんなが俺を見てる。
数少ない席の人、みんな見てる。
早く薬飲まなきゃ、水、水。
ポケットの中の抑制剤を握った椿だったが、頭の中は徐々に白く混濁していく。
ちんこいたい。
思いっきり扱きたい。
後ろも、誰か突っ込んで、
かき混ぜて。
頭がそればかりになって何も考えられなくなっていく。
足がガクガクと震えて、ぺたんと床に座り込んでしまった椿は智の座っている方の椅子に頬を擦り付けた。
冷たくて、気持ちいい……。
「土井さん、土井さんっは……っ」
「……っ、椿くん……っ」
椿は覚束無い手でベルトのバックルにてをかけると、カチャカチャと音を立て始めた。
智がそれを見て目を丸くする。
音が立つだけで上手く外すことが出来ていないが、今にも裸にならんばかりの勢いだ。
辛い、辛い、辛い。
「椿君それはダメだ」
「なんでぇ……っ痛い……っ痛い……っ」
「っ、すごい、匂い……っ煽られる……っ」
「土井さん、土井さん……っ」
「椿くん、お水、ほら、飲もう。薬を貸して」
ゆらゆらと腰をゆする椿。
完全に理性が飛んでしまっている。
智はなんとか自分だけでも意識を保っておかなければ。
そう思いながら椿から薬を取ると椿の口の中に押し込んだ。
智の指に当たる椿の舌がぐにゅりと形を変えた。
その指を引けば粘着質な唾液が糸を引いた。
「お水、飲んで」
そして智はグラスを椿の口元に持っていく。
しかし緩くなっている椿の口もとでグラスを傾けても、その水はそのまま下に落ちていってしまうだけだ。
「土井さん……」
「なぁに椿くん。しんどいのは分かるよとりあえずこれを飲んで移動しよう。ここに居たら君が危険だ」
「ごめんなさい……」
「謝罪するならこれを飲んでくれないかな」
本能の間に垣間見える理性。
それに理性を削り取られていくような感覚を覚えた智は、水を口の中に含むとそのまま椿に口を押し当てた。
とろんとした顔をする椿の頬をつかんでそのまま薄く口を開ければ水が流れ込んでいく。
ごくり、と喉が動いた瞬間智は口を離すと唇を乱暴に拭った。
「はぁ、おかしくなる。」
頭がクラクラしている。
椿は自分の体が浮き上がるのを感じながら、自分を抱き上げている男に抱きついた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
54 / 131